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栃木県鹿沼市

鹿沼市当初予算案、北犬飼コミセンに4.8億、粗大ごみ処理施設長寿命化、普通建設費57%増の64.4億

2020/02/13 日本工業経済新聞(栃木版)

 鹿沼市は12日、2020年度当初予算案を発表した。一般会計の規模は前年度比26億7000万円増となる418億2000万円(6・8%増)と過去最大。これを反映し、普通建設事業費は23億6038万8000円増の64億4376万3000円(57・8%増)の大幅な伸びを示した。重点事業は北犬飼コミュニティセンター整備、JR鹿沼駅東側都市基盤整備、南摩ダム周辺への水源地域振興拠点施設整備、とちぎ国体競技会場の鹿沼総合体育館機能充実を盛り込んだ。新規事業は粗大ごみ処理施設長寿命化、消防訓練塔整備、民間児童福祉施設整備支援に着手する。

 佐藤信市長は「台風19号の復旧復興を最優先課題に位置付けるほか、新庁舎建設、JR鹿沼駅東口、北犬飼コミュニティセンターの大型事業に取り組む。SDGsの視点に立った次期総合計画を策定し、持続的発展が可能なまちづくりを進めていく」と述べた。

 普通建設費の大幅な伸びは、大成建設が施工する新庁舎整備の本格化が主因。22年度までの継続費61億5402万円を設定済み。準備工事、行政棟、議会棟の第1期工事を開始する。別途、地元業者発注枠の鹿沼産材内装木質化工事に5163万円を措置した。

 北犬飼コミュニティセンター整備は4億8107万円。用地取得が不要な市職業訓練センター南側市有地(上石川)に移転新築し、21年度の供用開始を目指す。本体工事費は4億6407万円、敷地内の老朽化した北犬飼体育館解体工事費が1700万円。

 JR鹿沼駅東側都市基盤整備は4億381万円。23年度を完了目標に据え、国の社会資本整備総合交付金の都市再生整備計画事業を導入。都市計画道路、駅前広場、東西自由通路整備を計画。主に市道0344号線の改良工事を進め、利便性の強化に努める。

 水源地域振興拠点施設整備は3億513万円。市はダムとダム湖周辺(上南摩町)の環境を生かし、温浴施設を備えた交流拠点を建設。林道室瀬線の測量委託に400万円、市道8220号線整備に1億7066万円、施工中の温泉掘削に1億2947万円を配分。

 近く基本設計の公募型プロポーザルを公告し、20年度に施設概要をまとめる。20~21年度は実施設計に移行し、並行する形で用地交渉や用地取得に動く。基盤整備工事は21年度下期~23年度上期の3カ年を予定し、24年度のオープンを視野に入れる。

 鹿沼総合体育館(TKCいちごアリーナ)は22年度国体の卓球全種別、6人制バレーボール成年女子、公開競技の武術太極拳全種別の競技会場。競技基準に適合するよう3億500万円をかけ、アリーナ空調、トイレ、バレーボール支柱用ポールを改修する。

 粗大ごみ処理施設長寿命化は1344万円。基幹的設備改良工事に先立つ生活環境影響調査委託に942万円、長寿命化計画策定委託に401万円。市民生活に欠かせない粗大ごみ処理施設の安定運営に向け、工事着手前の準備を整える。

 消防訓練塔整備は764万7000円。災害に対する消防救急救助技術の向上を図るため、新たに市消防本部敷地内(上殿町)に本塔と副塔を建設する。南東側の老朽化した訓練塔の解体工事費が130万円、訓練塔の設計委託費が634万円。

 民間児童福祉施設整備支援は2億3366万円。清滝寺幼稚園の認定こども園移行に伴う園舎整備補助が2億3156万円、民間保育園の防犯カメラ設置補助が210万円。地域における子育て支援の充実とともに、子どもの安全対策に万全を期す。

 第8次市総合計画策定は872万円。SDGsをはじめとする新たな政策立案や職員の意識改革を図るため、ビッグデータの活用による解析調査分析委託に792万円。第7次市総合計画は終盤の4年目を迎えることから、時代の潮流をとらえる。

 台風19号災害復旧は蕪根橋と和田橋の復旧に1億円。ほか総額54億8355万円(農業施設22億9780万円、下水道9億7600万円、農作物活性化4億8079万円、道路橋梁4億670万円、河川3億5688万円、公園3億7390万円)を繰り越す。

 下水道の資本的支出は14億6510万3000円(皆増)。汚水管幹線や面整備に2億4700万円、汚水枡設置(200カ所)に4000万円、富士山雨水詳細設計に5000万円、府中雨水幹線建設に5000万円、日吉雨水幹線建設に2000万円、千渡調整池外構に1000万円。

 水道の資本的支出は16億6024万円(5・9%増)。配水管改良4億3475万円、第3浄水場紫外線処理施設3億8834万円、配水管新設1億8750万円、浄水場取水ポンプ更新6385万円、第1浄水場更新5940万円、第5浄水場第2取水井に5460万円。

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