記事

事業者
栃木県佐野市

佐野市予算案、新水道庁舎建設に設計費、台風19号災害復旧に8億、葛生義務教育校17.4億

2020/02/19 日本工業経済新聞(栃木版)

 佐野市は18日、2020年度度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比0・5%増の485億5000万円と合併以来2番目の規模。普通建設事業費は15・0%減の51億5696万3000円。台風19号災害復旧に重点配分したのをはじめ、大型事業は葛生・常盤中学校区小中一貫校整備事業、国体開催施設整備事業、出流原PAスマートIC整備事業、普通河川鷲川改修事業。新規は新水道庁舎建設事業、高機能消防指令センター改修事業、石塚浄水場施設整備事業、中継ポンプ場ストックマネジメント事業を盛り込んだ。(2面に主要事業予算額)

 岡部正英市長は「昨秋の台風19号被災復旧を最優先課題にとらえ、防災減災対策を強化し復興元年に位置付ける。一方では市総合計画に掲げた諸施策を途切れることなく着実に推進し、効率的で効果的な行政経営に努めていく」と編成趣旨を説明した。

 災害復旧費は8億871万円。橋梁復旧に3億3750万円、普通河川復旧に1億3555万円、市道復旧に1億2100万円、被災住宅応急修理に1億1900万円、被災企業支援に7350万円、林道復旧に1690万円、被災住宅再建支援に500万円。

 下水道事業の資本的支出は27億9770万7000円(皆増)。汚水整備に6億4624万円、水処理センターストマネに4億7410万円、雨水幹線整備に1億1800万円、管路ストマネに9260万円、下水道統合に3000万円、中継ポンプ場ストマネに2756万円。

 水道事業の資本的支出は18億4855万円(30・8%増)。田沼浄水場紫外線照射装置整備が1億2750万円、石塚浄水場施設整備が1億472万円、新水道庁舎建設調査設計(実施設計、地質ボーリング調査)が3750万円、小中浄水場施設整備が1850万円。

 大橋浄水場内(大橋町1165)の現水道庁舎は手狭な上に老朽化が著しい。RC造平屋建て470平方mで、築50年以上が経過。現庁舎を使用しつつ、敷地内の一角に新庁舎を建設する。地盤強固な場所にRC造2階建て延べ約1000平方mの庁舎を新設する。

 石塚浄水場は敷地が手狭なため、敷地東側に拡張用地を求める。市街化区域内の民間工場跡地を買収する予定。市ノ沢浄水場(赤見町)は廃止し、小中浄水場を新設する。新年度は建屋や設備機器の設計を委託する。

 葛生・常盤中学校区小中一貫校(葛生義務教育学校)は17億4104万円の巨費を投入。6月を目途に既存の葛生中校舎2棟の改修工事、体育館改修工事、プール改築工事の入札を執行し、市議会9月定例会の承認後に着工する方針。23年4月の開校を目指す。

 葛生中、常盤中、葛生小、葛生南小、常盤小、氷室小の計6校を統廃合。施設一体型の修業年数9年間の系統性を確保。1~4年生を基礎期、5~7年生を充実期、8~9年生を発展期とする。18~19年度の基本・実施設計は土澤設計(佐野市)の担当。

 国体開催施設整備は6億6885万円。22年国体のラグビー全種別会場の市運動公園に新球技場を整備するほか、人工芝多目的球技場を改修。成年男子バレーボールとデモンストレーションのドッジボール会場に選定されたアリーナ田沼を改修する。

 出流原PAスマートIC整備は2億1905万円。北関東自動車道東西線にETCゲートを1カ所ずつ設置し、県道山形寺岡線からゲートまでの乗り入れ口を整備。総事業費22億円を見込み、主要工事はNEXCO東日本が執行する。供用開始目標は22年度。

 普通河川鷲川改修は1億6327万円。未整備区間で頻発する浸水被害の解消に向け、改修費を増額する。高機能消防指令センター改修は1億2991万円。ほかに新規は中央公民館空調設備改修事業1609万円、都市公園安全安心支援事業1320万円。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら