記事

事業者
栃木県益子町

益子町図書館基本構想検討委員会、事業スケジュール案示す、基本設計22年度を想定、基本計画策定に移行

2020/03/03 日本工業経済新聞(栃木版)

 益子町図書館基本構想検討委員会(加藤義勝委員長)は、図書館整備について2020~21年度で基本計画策定、22年度に基本設計、23年度に実施設計、24年度の着工、25年4月の開館を目指す暫定的な事業スケジュールを示した。建設地が未決定なため、時期が前後する可能性は否めない。2月28日に開かれた第8回検討委員会で報告された。

 図書館の規模は、日本図書館協会指導基準に基づき町の人口2万2208人を基礎数値として算出。延べ床面積1845平方m、蔵書数12万7308冊、開架冊数8万9345冊、資料費2073万936円、年間増加冊数1万390冊、職員数11人が提示された。

 建設予定地については町役場周辺、陶芸メッセ周辺、中央公民館周辺、益子駅周辺のこれまでの協議で挙がった候補地の特性を確認。

 町役場周辺は①町中心部②道路交通の点で最も利便性が高い③浸水想定地域から外れている④今後の役場周辺土地区画整理事業により人口密度が倍以上になることが予想される⑤近傍の町子ども子育て支援拠点施設との連携が容易-などメリットが挙げられた。

 陶芸メッセ周辺は土祭の土舞台付近を想定して検討。周辺はなだらかな高台で水害時の避難場所にも適しており、陶芸メッセや城内坂も近く連携した企画を行う上で地の利があるとした。

 中央公民館周辺は益子中学校も近く高台に位置。公民館や中学校と連携した活動ができる。

 益子駅周辺は真岡鐡道利用者にとって利便性が高い。保健センターが駅舎と隣接しており、健康福祉分野で利点がある。また、駅舎で勉強している生徒もおり、通勤、通学の合い間の時間を図書館で過ごすことができると分析した。

 基本理念に「未来を育む知の広場」を掲げ、具現化する基本方針には「交流の拠点」「育ち、学ぶ拠点」「文化の拠点」「くらしの拠点」の4つの基本方針を策定した。

 基本方針から想定されるハード面の取り組みについては里山景観を楽しめるオープンスペースやカフェ、レストラン、益子焼ギャラリーショップ、展示室、防災公園などが挙げられた。

 新年度から着手する基本計画の検討では基本構想で示された要項を具体化。建設予定地や施設規模、設備、付帯施設、運営方式、整備方式などランニングコストからみて実現可能で最適な事業規模を考慮する。また、町民アンケートや町内外でワークショップを実施し求められる図書館を考察。実現するための予算を把握することが重要とした。

 基本構想検討委がまとめた報告書は、3月末に大塚朋之町長に提出。確認後に策定する予定。4月以降から基本計画の策定に向けた準備を進めていく。当初予算案には基本計画策定支援業務に300万円を配分した。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら