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茨城県水戸市

20年度当初予算案/南消防署移転で14・2億/内原駅橋上化へ着工/学校の長寿命化を推進

2020/03/03 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市(高橋靖市長)は2日、2020年度当初予算案を発表した。4大プロジェクトが終息へ向かう一方で、防災・減災対策や学校の校舎・屋内運動場の長寿命化改良、トイレの洋式化などを重点的に進めていく。主な事業では内原駅周辺地区整備事業で橋上駅舎化および南北自由通路の整備に着工。南消防署移転改築事業は3カ年継続費14億2000万円、千波市民センター移転改築事業は2カ年継続費4億300万円を設定し、建設工事を進めていく。学校の長寿命化では新規で吉田小(2期)・酒門小(1期)の校舎および三の丸小屋内運動場を追加した。


 一般会計全体では1217億600万円となり、前年度から4・9%減少した。普通建設事業費は前年度比24・8%減の239億2112万7000円。

 特別会計や企業会計を合わせた予算総額は2039億3110万円。

 内原駅周辺地区整備事業では、橋上駅舎の建設負担金に3億6860万円、南北自由通路の工事委託に3億2400万円を計上したほか、進入道路などの工事や仮駐輪場の整備に1億1480万円を充当した。

 予算案以外にJR東日本との施工協定に関する議案も提出する。

 元吉田町地内へ移転改築する南消防署は、基本・実施設計を㈱桜設計事務所(水戸市)で進めている。新施設はRC造3階建て(免震構造)、延べ1947㎡。

 22年度まで継続費を設定し、着工する。継続費の年割額は20年度2億8000万円、21年度5億5700万円、22年度5億8300万円。

 緑岡出張所改築事業では基本・実施設計に2カ年継続費3700万円(20年度=1200万円、21年度=2500万円)を配分。

 千波市民センター移転改築事業では20年度に1億8850万円、21年度に2億1450万円を充て、建設工事を進める。施設はS造平屋、851㎡。

 また、市民センター総合管理計画に基づく長寿命化改修事業には2億2500万円を設定。緑岡市民センター、寿市民センターは改修工事、三の丸市民センターは実施設計を進める。

 学校の長寿命化改良では、酒門小(1期)と吉田小(2期)の校舎および三の丸小の屋内運動場の工事を推進する。

 継続費としては19年度から酒門小に3カ年7億2700万円、吉田小に同3カ年7億2500万円を設定。国庫補助の追加に伴い、前倒しで19年度から計上している。

 ほかに、児童数が急増している笠原小学校の増築事業(1期)として2カ年継続費4億8700万円を予算化(20年度=1億7300万円、21年度=3億1400万円)。増築部分はS造2階建て、延べ900㎡。

 また、笠原小(2期)・吉沢小の校舎増築のための実施設計費7000万円を計上した。

 小中学校のトイレ洋式化事業には1億5070万円を措置した。寿小・石川小、水戸第三中・飯富中・石川中、国田義務教育学校で工事を推進。赤塚中では配管を含めたトイレブース全体の大規模改造を行うため、実施設計を策定する。

 道路新設改良は13億5939万9000円。13路線、計2864mの工事などを進めていく。

 国補街路整備事業では13億6300万円を配分した。3・4・149号赤塚駅西線に3億5000万円、3・4・5号偕楽園公園上水戸線に2億5000万円、3・3・175号梅戸橋桜川線に2億1000万円を設定。

 墓地公園整備では、浜見台霊園に従来型墓地を100基拡張するとして工事費1700万円を配分。

 このほか、新市民会館整備事業では、保留床の取得として3カ年継続費185億2000万円(20~21年度=各55億円、22年度=75億2000万円)を計上した。

 泉町1丁目北地区市街地再開発事業としては、再開発組合に対する補助金および公共施設管理者負担金として7億6790万円を設定している。

 下水道事業では、管渠建設改良に27億5612万9000円。管渠布設工事や長寿命化計画に基づく改築工事を実施する。

 水道事業では、老朽施設の更新(管路、浄水施設)に14億8001万5000円、配水管の耐震化に9億4207万5000円などを計上した。


当初予算案の主な事業


■南消防署移転改築事業=14億2000万円(22年度まで継続費)

■千波市民センター移転改築事業=4億300万円(21年度まで継続費)

■《新》酒門小学校長寿命化改良事業(1期)=7億2700万円(21年度まで継続費)

■《新》吉田小学校長寿命化改良事業(2期)=7億2500万円(21年度まで継続費


【写真=記者の質問に答える高橋市長】

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