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【建設リサイクル】次期推進計画へ中長期的な方向性を提言

2020/03/10 本社配信

 国土交通省の有識者検討委員会が、建設リサイクルや建設副産物の適正処理等の推進に向けて中長期的に目指すべき今後の方向性を示した次期建設リサイクル推進計画に係る提言をまとめた。主要課題に対する必要な施策として、新規で▽再生資材利用率の目標指標化検討▽リサイクル原則化ルールの改正▽建設副産物情報交換システムと電子マニフェストの連携による働き方改革および建設副産物簡易モニタリング把握の促進▽建設発生土の有効利用・適正利用促進のためのトレーサビリティシステム等の活用―を盛り込んだ。建設発生土の官民一体的なマッチング強化や建設リサイクルガイドライン改正による事業計画段階からの発生抑制徹底などは引き続き進める。国交省では提言を踏まえて、2020年度上半期に新たな推進計画を策定する。

 計画期間は、現行のおおむね5年間よりも長期化を求め、最大でも10年程度とした。また2~3年ごとに中間評価を実施するとともに、直近10年でリサイクル率が常に90%を超える傾向にある品目と、それ以外の品目、特定の課題について選別するなど、重点的にフォローアップする項目の選別も必要とした。さらに、提案に準じて各地方でも地方特有の課題を分析し、次期推進計画を検討するように求めている。

 提言のうち、社会資本の維持管理更新時代への対応では、良質な社会資本を整備して長寿命化を図ることは建設リサイクルの観点から見ても発生抑制につながると指摘。加えて、災害発生時には災害廃棄物とともに多くの建設廃棄物が排出され、建設リサイクル分野全体に大きく影響することにも留意する必要があるとした。生産性向上にも言及し、ICT技術等を活用した取り組み推進を促している。

 個別品目で顕在化している課題への対応では、建設混合廃棄物は適切に現場分別が進んでいる一方、分別が進むほど中間処理施設での再資源化や縮減が難しくなり、最終処分場へ持って行かざるを得ない割合が増加すると説明。現計画の目標指標では施策の進捗を適切に把握できないとし、目標設定の際に留意することを要請した。

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