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栃木県土地開発公社

県土地開発公社予算、旧社屋解体 年末に公告、下野市西坪山東に設計費、上三川IC南は工費2.5億

2020/04/07 日本工業経済新聞(栃木版)

 県土地開発公社は、2020年度予算と事業計画を決定した。土地造成事業は下野市西坪山工業団地東地区に5億8591万5000円、上三川インター南産業団地に2億7383万4000円を計上。旧社屋解体事業は1億円のほか、債務負担行為1億5000万円の計2億5000万円を措置。11月末を目途に解体工事の入札を公告する。開発調査費には5500万円を充て、市町から整備要望が出された新産業団地の基礎調査に取り組んでいく。

 基礎調査地区の下野市西坪山工業団地東地区(下坪山、花田、絹板、33・3ha)は事業化に向けた予算を配分。基本設計は栃木都市計画センター(宇都宮市)が6月までの履行期限で担当中。上半期中に調査結果をまとめ、県地域整備等総合調整会議に諮る。

 予算額は用地取得費4億750万円、測量試験費(造成実施設計、測量、地下水調査、用地補償積算)1億2500万円、工作物等補償費4000万円を振り分けている。県が事業実施のゴーサインを下した場合、着手後5~6年程度で完成の見通し。

 計画地は、西坪山工業団地東側に位置する山林や農地(市街化調整区域)。西側の山林エリアは保存緑地とする方針。新4号国道、北関東自動車道宇都宮上三川ICや整備予定の下野スマートICの広域交通網が充実。圏央道五霞ICから1時間以内。

 地区東側を一般県道結城石橋線が南北方向に縦断。北側近接地を主要地方道栃木二宮線が東西方向に横断している。新産業団地へは西坪山工業団地東側の市道1-16号線を進入路とする。地区北側では仁良川地区土地区画整理事業(91・4ha)が施行中。

 上三川インター南産業団地(上三川町石田、8・8ha)は工事費2億5000万円、画地確定測量2200万円。区画道路築造、整地工事、緑地工事を予定。実施設計は栃木都市計画センターが手掛けた。21年度上半期中の完成を目指し、総工費約11億円を見込む。

 計画地は町北部の宇都宮上三川ICから南へ2・8㎞に位置。新4号国道沿いに立地する石田工業団地(6・6ha)、石田南工業団地(5・3ha)の南側に隣接。新4号を挟んだ東側では日産自動車栃木工場(290・2ha)が操業する。

 新4号国道沿線東側の6・2haに産業用地5区画を分譲する。区画割りは1街区0・59ha、2街区0・36ha、3街区2・63ha、4街区2・26ha、5街区0・36haに設定。区画道路(幅員9m4本と6m1本)、管理用通路、調整池、公園、緩衝緑地帯を配す。

 旧社屋の県開発センタービル(宇都宮市栄町1-15)はRC造8階建て延べ床面積3648平方m。新社屋から北方150mに位置する県庁前通りと宇商通りが交差する塙田4丁目交差点南東側の敷地面積1938平方mに建つ。1972年に完成した。

 1~5階の構造耐震指標のIS値が0・6以下の耐震性不足。1階のピロティは庇をせり出し、最上階のベランダは空中に張り出している。ガラス面が大胆に強調され、鋼製枠で覆われている。左右の壁は上空に向かって突出し、荒々しいコンクリート打ち放し。

 解体実施設計は都市環境建築設計所(宇都宮市)が10月の履行期限までに仕上げる。断熱材にアスベストが使用されており、含有量を調査中。年末に条件付き一般競争入札を公告し、年明けには開札の予定。20~21年度の2カ年間で解体撤去し、更地化する。

 開発調査費は、県内の複数市町の新規産業団地開発計画を支援。ノウハウの乏しい多くの市町は、産業団地開発経験豊富な県機関に整備を要望。県は土地開発公社または企業局を調査主体に選定し、基礎調査を命じている。基礎調査を経て県が事業主体を決定する。

 用地取得受託事業は5824万5000円。県土整備部の快適で安全な道づくり事業(国道408号、国道294号、県道の結城石橋線、佐野田沼線、飛駒足利線、羽生田上蒲生線、藤原宇都宮線)が3575万円。

 下野市の下野スマートIC線が1426万2000円、芳賀町のLRT整備事業が431万1000円、県教育委員会の日光杉並木街道保護用地公有化が391万8000円。これら行政機関に代わり用地取得に協力する。

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