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国土交通省,(財)建設業振興基金

【CCUS】人材引き抜き防止策の徹底求める

2020/04/08 本社配信

 国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の情報セキュリティー強化と人材引き抜き防止策の徹底を図るため、建設業団体に対して、CCUSで講じている情報の閲覧範囲などをあらためて周知した。CCUSでは、元請けや上位の請負者が下位の下請け事業者との事業者間合意を経て、下請け事業者に所属する技能者の施工体制登録作業を代行する機能を備えているが、本来の趣旨や目的に反する悪質な運用は、人材引き抜きの懸念をいたずらに引き起こすとし「優越的な地位の濫用ともとれる行為に対しては、厳正に対処する」方針を強調している。

 CCUSに関して一部では、システムに登録すると、企業情報、個人情報が他社から自由に閲覧できるようになるという誤解がある。そこで今回、▽CCUSに登録・蓄積された情報は初期設定で非開示となっており、技能者本人と所属事業者の同意なしには開示されない▽元請けや上位下請けが現場稼働中に閲覧できる情報は、作業員名簿に掲載されている情報と、過去の自社の現場での就業履歴に限定されている―ことを説明。運営主体の建設業振興基金とともに正確な情報を継続的に周知していくとした。

 また情報流出や下請け事業者の引き抜きの懸念に対して、国交省と振興基金では2019年度補正予算を使ってCCUSとマイナンバーカード・マイナポータルの連携が行える水準まで順次セキュリティーを強化し、さらなる情報漏洩・不正アクセス対策を講じる考え。さらに、所属事業者の判断で技能者の引き抜きにつながりかねない住所、電話番号を事業者のものでよいとする運用変更を行うことで、懸念の払しょくに万全を期すことにしている。

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