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栃木県茂木町

茂木町、美土里館をリニューアル、今年度は基本構想、地形測量

2020/04/10 日本工業経済新聞(栃木版)

 茂木町は有機物リサイクルセンター美土里館(九石641)の施設を一部更新する。今年度から基本構想、地形測量に着手。リニューアルに併せて新たなバイオマス機能の追加を検討していく。スケジュール案では、5月にも庁内組織を立ち上げ堆肥製造プラントの選定や導入設備を検討。基本構想で建設場所や配置計画、概算事業費を固める。21年度は実施設計や用地買収を推進。22~23年度の2カ年施工を見込み、24年4月の供用開始を目指す。

 基本構想は公募型プロポーザルの発注が有力。県内外のコンサルを対象とし、バイオマス施設の実績などを要項に盛り込む見通し。5~6月頃に発注する予定。地形測量は地権者の了承後に実施する。当初予算で2業務の委託料850万円を計上した。

 美土里館は管理事務所、作業庫、副資材保管庫、脱臭棟、原料投入棟、液肥化施設、二次発酵棟、乾燥調製棟、円形発酵棟の構成。建築物と工作物、装置の合計面積は6213平方m。処理能力は4441㌧/年、製造能力はたい肥1117㌧/年。

 2003年4月の稼働以降、17年が経過し廃棄物処理施設の更新年数20年が迫っている。加えて現在の年間処理量が約5000㌧、堆肥製造量約1400㌧と増加傾向でプラントへの負荷が大きい。発酵棟などでは腐食による劣化が著しく倒壊の危険性が高い。

 敷地面積は1万4070平方m。町道大瀬小井戸線西側に立地し周辺は山地となっている。更新施設は敷地南側の休耕地に配置する見通しで用地取得面積は約1万平方mを想定。追加整備する場合はさらに南側の用地約6000平方mへの拡大を検討する。

 用地確定後の造成工事では休耕地にかかっている山の一部を削り、盛り土として活用する見込み。

 更新する施設は、原料投入棟と円形発酵棟、二次発酵棟、脱臭棟、液肥化施設。二次発酵棟の建屋は残し内部の活用を検討。腐食しない保管庫などは修繕などで対応する。新プラント稼働後に旧施設を解体撤去する。

 更新施設で追加処理を見込んでいるのは竹、刈り草、わら。竹は腐りにくいため荒廃竹林や道路脇の支障竹を処理した後、何年も放置されてしまう。刈り草やわらは野外焼却した際、消防署や警察に通報されるケースがあり町民などからも要望されている。また、今後実施される庁内検討会でも意見を吸い上げ環境循社会に合った見直しを行う。

 町は15年10月に農林水産省のバイオマス産業都市に認定。美土里館を循環型社会の取り組みの核とした重要な施設に位置付け、時代に即した施設にパワーアップする計画づくりを地域住民、酪農家、農業者、各事業者一体で進めていく。

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