農林水産省は、２０２０年度公共事業個所別予算を決定した。県内は８５地区で総額約９９億５０００万円。農業農村整備事業は３７地区５７億６０００万円。直轄は栃木南部（小山市）や鬼怒川南部（真岡市ほか）に事業費を配分。補助は農地整備の海道（宇都宮市）、大谷東部（小山市）、稲毛田（芳賀町）など６地区に着手。林野公共事業は４８地区４１億９０００万円（ゼロ国、造林関係含む）。直轄は復旧治山の芹沢・上湯沢（日光市）など５地区、補助は三本松（同）など７地区に着手する。農山漁村地域整備交付金は１２億１３００万円が配分される。（３面に地区の事業費）

　直轄の農業農村整備事業は３地区で２２億６０００万円。かんがい排水の栃木南部が２１億円、鬼怒川南部が１億５０００万円、防災情報ネットワークの芳賀台地（那須烏山市ほか）が１０００万円。

　鬼怒川南部は真岡市、小山市と茨城県筑西市など９市町が対象。勝瓜頭首工からの幹線用水路３・５㎞、船玉など揚水機場２カ所を総事業費５５億円で改修する計画。今年度から実施設計などを進める。

　補助の農業農村整備は県営の３４地区で３５億３００万円。農地整備の事業費は下稲葉（壬生町）、荒井町島（大田原市）の２億１００万円、薬師寺・柴（下野市）の１億７２００万円、芳賀町北部第２の１億７１００万円、刈沼川（宇都宮市）の１億５１００万円など。

　水利施設等保全高度化や農村地域防災減災事業は船生（塩谷町）の３億３１００万円、押切用水堰（小山市）の２億９００万円など。小泉・本沼（益子町）や江戸川温水ため池（那須町）、部屋南部（栃木市）などにも事業費が配分された。

　新規は海道、大谷東部、稲毛田のほか、農地整備の赤城（佐野市）、薄井沢（日光市）、蟹川堰（下野市ほか）。蟹川堰は田川の上部工を現在と同じ鋼製自動転倒堰に更新する計画。

　新規地区は実施設計や換地などの業務を予定。農地中間管理機構関連で畑地を整備する稲毛田は１億１００万円が措置され、一部着工する見通し。

　直轄の林野公共事業は１２地区で１３億９２００万円。復旧治山の下桐久保沢（日光市）は１億１０００万円、流木防止総合対策の芝草山（同）は１億３１００万円。２地区はゼロ国分でそれぞれ１億円と１億２０００万円を措置した。

　新規は芹沢・上湯沢のほか、芹沢支流、ツメタ沢、久治良（以上日光市）、大綱（那須塩原市）。５地区とも復旧治山事業で渓間工を２基から４基計画している。

　補助は３４地区で２５億７４００万円。事業は復旧治山１５地区、保安林整備１２地区など。

　新規は復旧治山の大畑（宇都宮市）、大網（佐野市）、島田沢、藤穴、加戸沢（以上、鹿沼市）、三本松（日光市）、緊急総合治山の長安寺（鹿沼市）。主な事業は加戸沢が５７００万円、大網が４０００万円、長安寺が３２００万円。

　奥地保安林保全緊急対策は山中（日光市）に３１００万円、保安林緊急改良は黄金沢（鹿沼市）に２８００万円、林業専用道整備は曽倉線（那須塩原市）に３１００万円が措置された。

　森林環境保全整備（造林関係分）は那珂川（大田原市ほか）に９億３２００万円、鬼怒川（宇都宮市、日光市ほか）に２億１４００万円、渡良瀬川（足利市ほか）に５億７９００万円が配分された。