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宇都宮市、競輪場工事 コロナで先送りも、センタースタンド空調改修など

2020/04/23 日本工業経済新聞(栃木版)

 宇都宮市が今年度発注する競輪場(東戸祭1丁目)の各整備工事が先送りになる可能性が出てきた。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い「レース開催の見通しが立たず、工事の財源確保が困難な状況」(競輪場関係者)という。対象工事はセンタースタンド空調設備改修、1階空調設備改修に伴う電気設備、センタースタンド発電設備改修、メインスタンド吊り天井等改修、競争路補修の5工事。市は今後工事発注できるかを判断する方針。工期や設計内容を見直した規模縮小も検討していく。

 メーンとなる空調設備改修工事はガスヒートポンプチラーユニット6基、エアハンドリングユニット6基を更新。1階(約2500平方m)全体をカバーする一括温度調整から部分的に管理できるよう更新する。工事では吹き出し口も調整する。工期は管工事360日、電気420日。

 今年度は設備機器の3分の2(ガスヒートポンプ4基、エアハンドリング4基)に着手し、来年度は残り3分の1(各2基)を整備する予定となっていた。

 設計仕様を基にし、メーカーを問わない性能発注の見込み。空調設備はセンタースタンドが完成した1987年度に設置され、33年が経過。修繕費用が増加の一途をたどり、全面更新時期を迎えている。

 電気発電設備は非常用設備や消防設備の電源、照明の一部を賄うガスタービン発電機が出力250KVA。ほぼ同程度を出力するディーゼル発電機を採用する見込み。トランスも含め更新する。センタースタンド裏の敷地内に設置する予定。

 メインスタンド吊り天井の工事内容はアルミスパンドレル350平方mの天井改修。災害時の一時避難場所に指定されているものの一部の天井で改正建築基準法を満たしていない。一時避難場所にふさわしい市民の安心安全を守る耐震化対策を講じていく。

 競争路補修工事では、冬場の凍結によって破損した部分を補修。決勝線付近のウォークトップなどで塗装工事(保護シーリング500平方m)のほか、1500mのラインを設置する。

 宇都宮競輪場ではウイルス感染拡大に配慮し、2月27日から3月末まで無観客でレースを開催。しかし、政府の緊急事態宣言は全国47都道府県に拡大し、4月のレース開催は見送っている。当初予算では競輪場整備費3億7564万7000円を計上。センタースタンド空調設備改修工事は2021年度債務負担行為に限度額2億148万6000円を設定していた。

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