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栃木市、今年度は事業計画作成、8月に換地設計準備を指名、平川に産業団地22.7ha

2020/05/20 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は、平川地区開発事業(大塚町、都賀町平川、都賀町升塚、都賀町家中)に乗り出した。北関東自動車道都賀IC南側に位置する区域面積22・7haに公共施行による土地区画整理事業を導入し、産業系の土地利用を図る。近く事業計画作成を委託し、8月には換地設計準備を指名通知する。当初予算では事業費2450万8000円を措置した。2021年度に県の事業認可を取得し、26年度の完成を目指す。総事業費約31億8000万円を見込んでいる。

 計画地は都市計画道路3・3・3号小山栃木都賀線合戦場工区(主要地方道宇都宮亀和田栃木線バイパス)の沿線部。醸造酢大手のミツカン栃木工場西南に接し、土地区画整理事業手法で産業用地を創出。広域交通網を生かした立地利便性を最大限に引き出す。

 小山栃木都市計画区域マスタープランに基づく県決定の区域区分変更で一帯の31・2haを市街化区域に編入、市決定の用途地域の変更で32・8haを工業専用地域に指定、市は22・7haを土地区画整理事業に選定。これらは20年度末に都市計画決定予定。

 14年度に庁内で基本構想を策定し、15年度は関係地権者へ土地利用の意向を確認。16年度は基本計画作成を八興(宇都宮市)、17年度は地形測量を落合測量設計(栃木市)、19年度は基本設計を八興、地質調査を野田サクセン(栃木市)に委託した。

 20年度の事業計画は概算事業費、収支計画、認可申請書の作成を委託。換地設計準備は権利調査補正、従前土地の地積決定、土地評価基準案、換地設計基準案を作成。複数回の地元説明会を通じ、地権者92人は事業に前向きな姿勢を示している。

 21年度は換地設計をまとめ、県から区画整理事業の認可を取得。併せて事業費管理を特別会計に移行する見通し。22年度は実施設計、土地評価、物件調査、街区確定を済ませる意向。23年度には工事を本格化させ、24年度中には予約分譲を開始する。

 現段階では区域中央部を南北に貫く幹線街路が幅員12m、補助幹線は幅員9mを適宜配置する。公園は北側の県道付近に4400平方m、南側街路付近に1700平方mの2カ所を配置。東側には1万6800平方mの調整池を築造。5区画を造成する計画。

 区画の整形はオーダーメード方式を視野に、進出企業のニーズに応じる。地域経済活性化や雇用創出につながる企業を誘致。地下水が豊富なだけに、食料品製造業の誘致を想定。市は同時並行的に栃木インター西地区(吹上町、野中町、24ha)開発を展開する。

 県事業の合戦場工区は00年度に快適で安全な道づくり事業を導入。都賀町家中から都賀町平川の一般県道国谷家中停車場線都賀IC南交差点を終点とする延長3200m区間のバイパス整備が18年度に完成した。2車線の供用のため、4車線拡幅を要望している。

 合戦場工区の開通によりミツカン栃木工場へのアクセスルートが確保され、合戦場小学校や家中小学校への通学路に利用されている。日常生活の利便性が向上したほか、現道の渋滞が大幅に緩和した。さらに沿線都市との地域間連携や物流機能が強化された。

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