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栃木県小山市

小山市 国土利用計画を改定、小山駅周辺を再生、50号沿線に都市基盤整備

2020/06/18 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山市は、国土利用計画市計画の改定素案をまとめた。JR小山駅周辺の中央地域を「コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり構築コアゾーン」に見直す。これまでの「小山の顔づくり中心ゾーン」を改め、まちなかの再生や活性化とともに交流とにぎわいを創出する魅力ある美しいまちなみを形成する。市西部の国道50号沿線は適正な土地利用や景観形成を誘導し、必要な都市基盤の確保や整備に努めていく。

 地域区分は自然的、社会的、経済的諸条件を勘案。思川東側台地の「中央地域」(小山、大谷北)、思川下流東側の「南部地域」(間々田、大谷南)、思川西部の「西部地域」(豊田、中、穂積、寒川、生井)、思川上流東側から鬼怒川西側の「北部地域」(桑、絹)に4分類する。

 小山駅周辺の街路空間や沿線は低未利用地の活用による楽しく回遊できる歩行空間を創出。宅地は粟宮新都心第1土地区画整理事業による「人と企業を呼び込む」良好な居住環境を整備。市営塚崎住宅、県営大芯住宅は自然環境と調和した緑住集落地を形成する。

 大谷北と大谷南地区には拠点となる「大谷地区中心施設」を建設。大谷東部地区土地区画整理事業で非農用地を創設し、新規工業団地を造成する。小山総合公園周辺は「こどもの国ふれあい交流ゾーン」に位置付け、市民の憩いの場とする。

 西部地域には「国道50号沿線活性化ゾーン」を追加。50号沿線には道の駅思川や県南地方卸売市場、小山南工業団地が立地。北関東主要都市への交通アクセス利便性を生かし、市を東西方向に横断する広域交通網大動脈の可能性を最大限に引き出す。

 生井地区は「思川文化交流拠点」を改め「渡良瀬遊水地・思川文化交流観光拠点」に変更。ラムサール条約湿地に登録された渡良瀬遊水地や旧思川の地域資源を活用。コウノトリ交流館を中心に宿泊施設、農村食堂、直売所、加工所、防災広場を整備する。

 北部地域の絹地区周辺に新たに「本場結城紬情報発信拠点」を組み込んだ。「桑・蚕・繭・真綿かけ・糸つむぎのさと」を情報発信拠点とし、ユネスコ無形文化遺産登録を全面的に打ち出す。結城紬産業の復興を目指し、需要の拡大や販売促進につなげる。

 絹中学校区小学校統廃合による学校跡地を「学校跡地利活用による地域活性化拠点」に追加。長年にわたり地域のシンボル的な施設として親しまれてきた学校跡地を活用。民間事業者の能力や経験、実績を生かし地域活性化に結び付ける。

 現計画期間は2016~25年度までの10カ年間。20年度は中間年度に当たり、社会経済情勢の変化に対応し一部改訂する。利用区分は①農地②森林③水面・河川・水路④道路⑤宅地⑥その他-の6区分。人口は16万7000人を想定する。

 目標年次の規模は農地7716ha(44・9%)、森林558ha(3・2%)、水面・河川・水路1450ha(8・4%)、道路1645ha(9・6%)、宅地(住宅地、工業用地、その他の宅地)3012ha(17・6%)、その他2795ha(16・3%)。

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