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計画段階配慮書の縦覧開始/中部電力・三菱商事パワー/銚子市沖で洋上風力発電/発電出力最大約35万kW

2020/06/30 日刊建設タイムズ

 中部電力(愛知県名古屋市東区東新町1、林欣吾代表取締役社長)と三菱商事パワー(東京都千代田区丸の内2―6―1、岩崎芳博代表取締役社長)は29日、銚子市沖における洋上風力発電事業の計画段階環境配慮書の縦覧を開始した。縦覧期間は7月28日まで。銚子市沖合の沿岸において総発電出力最大35万kWの着床式洋上風力発電機の設置を計画。2022年度以降の着工を目指している。

 事業の名称は「(仮称)千葉県銚子市沖における洋上風力発電事業」。実施想定区域は、銚子市沖の沿岸域及び沖合で面積約3948・7ha。発電機の基数は最大37基で、単機出力8000~1万2000kW、総発電出力は最大35万kW。

 発電機の概要は定格出力(定格運転時の出力)8000~1万2000kW、ブレード枚数3枚、ローター直径(ブレードの回転直径)160~220m。ハブ高さ(ブレードの中心の高さ)110~150m程度。発電機の原動力は洋上風力(着床式)。

 発電機の出力は▽8000kW級37基・総発電出力29万6000kW▽9500kW級37基・同35万1500kW▽1万2000kW級24基・同28万8000kW――の3つのケースを想定する。

 主な工事内容は土木工事(造成・基礎工事等)、電気工事(海底ケーブル等の敷設工事等)、風力発電機設置工事(輸送工事、据付工事等)、試運転など。

 概略の工程は、22年度以降に土木工事に着工し、23年度以降に電気工事及び風力発電機設置工事を実施。24年度以降に試運転を行い、25年度以降の運転開始を予定する。

 同事業は、洋上風力発電を実施することで、二酸化炭素等の温室効果ガス排出による地球温暖化防止に貢献するとともに、海外からの燃料に依存しない安価な電力を安定的に供給することによりエネルギー自給率を向上させ、銚子市や旭市など周辺地域における新たな雇用創出等による地域の活性化を図ることを目的に実施する。

 銚子市沖では、県や地元自治体、漁業関係者などによる「千葉県銚子市沖における協議会」が設置され、洋上風力発電の「促進区域」の指定に向けた検討を行っており、今月の協議会において、銚子市沖の約3948・7haを区域とする促進区域案が了承された。

 計画段階環境配慮書は、環境影響評価の手続きの一環として、計画段階において環境保全のために配慮すべき事項に関する検討結果をまとめた。

 計画段階環境配慮書は、県環境生活部環境政策課、県海匝地域事務所、銚子市企画財政課・豊岡出張所・豊里出張所、旭市環境課・飯岡支所で縦覧できる。また、中部電力のホームページで閲覧が可能。

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