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茨城県ひたちなか・東海広域事務組合

消防本部の建替設計/久米設計で着手/22年4月着工目指す

2020/09/04 日本工業経済新聞(茨城版)

 ひたちなか・東海広域事務組合は、消防本部・笹野消防署庁舎建て替えの設計業務委託の公募型プロポーザルで㈱久米設計(東京都江東区)を選定した。1日に1億6000万円(税抜き)で契約した。履行期限は2021年11月30日まで。想定規模は庁舎がS造3階建て3699・40㎡。車庫棟はS造875㎡。工事費の上限はシステム更新費を含み40億円(税込み)。着工は22年4月を予定し、24年4月の供用開始を目指す。


 設計の実施方針では、機動力、即応性、作業性に優れた署員・職員本位の消防庁舎として①安全安心の堅牢なBCP(業務継続計画)庁舎②機動力を最大限発揮するコンパクト庁舎③機能性と快適性を両立するアメニティー庁舎④機能維持と利用者の安全性に配慮した建て替え計画⑤機能転換が容易で維持管理しやすい環境庁舎―の実現に向けて進めていく。

 配置計画では、既存庁舎東側の市男女共同参画センター(笹野町2―8―2)を解体し、新庁舎を配置。庁舎は消防署、緊急車両車庫、資機材庫を配備する。庁舎棟の1階をピロティ状にすることで周囲にも十分な走行帯を確保し、緊急時や訓練時の利用に対応する。

 新庁舎の西側では車庫前広場(40m×40m)、2期車庫棟、訓練施設を整備。昭和通り(市道1級1号線)に対してスムーズで安全な出動動線と視認性を確保した。

 敷地南側には職員用124台分、一般利用者用30台分の駐車場のほか、敷地内歩道を整備する。敷地外から庁舎入口までの安全な歩行者動線の確保と敷地東西への横断、中根第2公園への通り抜けルートも計画する。

 また、南北に生じる約1・8mの高低差は南側駐車場の緩勾配造成で解消し、庁舎・訓練エリアをフラットにした地盤レベル設定とする。また庁舎1階の床を50㎝嵩上げすることで、東西面道路との擦り付きを容易にする。

 庁舎の平面計画では、1階は消防署機能として事務室、出動準備室のほか、エントランスホールや緊急消毒室を設置する。車庫に隣接するエントランスホールでは見学者に緊急車両が見やすいよう配慮している。消毒室では帰署隊員を最短で誘導することにより、徹底した完成予防が可能。また女性隊員に配慮した単独シャワーブース、脱衣室、洗面手洗いを設置する。

 2階には、多目的ホール、食堂、仮眠室などを配置。多目的ホールは可動間仕切り壁の設置で3分割利用が可能で、講習会利用ができるようにAV機器を設置する。食堂は1階車庫の状況が確認できる吹き抜けとなっており、出動待機所としての利用を考慮して階段を直近に配置し出動動線を最短化する。

 3階は、本部事務室や指令室、災害対策室を集約配置する。各部屋を壁ではなくガラスで仕切ることで相互の目視確認により連携強化を図ることとしている。

 建て替え計画では、電気、水道、通信の切替えを含めた新築工事から解体工事に至るまで、全ての段階で消防活動機能を維持する計画。

 男女共同参画センターと南側コンテナ倉庫を解体し、男女共同参画センター跡地に新庁舎の建設とその南側に造成外構整備を行う。

 新庁舎完成後はシステム整備や引越しを行い、新庁舎は仮使用とする。既存庁舎は解体し、跡地には外構部分を仮舗装してから訓練棟、車庫棟を建設する。供用開始は24年4月を見込む。

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