長岡市立岡南小学校で9月29日、「浄土川学習会」が開かれた。総合学習で川について学んでいる4年生に、砂防の知識を加えてもらう目的で県長岡地域振興局地域整備部が協力。19人の児童が熱心に講師の話に耳を傾けた。
同校で当初計画していた浄土川ダムの見学が中止となり、依頼を受けた治水課の職員ら2人が出向く形で、出張土木教室が開かれたもの。
講師を務めた砂防担当の星野光技師は、現在砂防ダム工事が進む浄土川の概要に触れ「金倉山を源流に約8・4㎞の長さで、フェニックス大橋下流で太田川に合流する。上流にはダムが5カ所あり、渡沢町の36戸の家屋や老人ホームの岡南の郷など、地域を土砂災害から守っている」と説明した。
動画の鑑賞では、実際に起きた土石流の映像が流され「時速40㎞を超えるものもある」との解説に、子どもたちは声を上げて驚いた様子を見せていた。
星野技師は、『SABO』は今や世界共通語で日本の技術が優れていること、貯水ダムと砂防ダムの役割、透過型ダムと非透過型ダムの違いについて説明し、話の結びには「いつもと雨や川の様子が変わったり、危険を感じたらすぐに避難して」と迅速な行動を要請。質問の時間では「砂防ダムはどのくらいの土石流まで大丈夫なのか」など、真剣に尋ねる子どもたちの姿が見られた。
授業を終えた星野技師は「専門用語を使わず、極力分かりやすい言葉で伝えることなどを工夫した」と、初の講師役の感想を語った。
【写真=浄土川について学んだ】