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市長会議、水位計・監視カメラ増設を要望、首都機能移転の機運醸成も

2020/10/22 日本工業経済新聞(栃木版)

 今年度第3回県市長会議が21日、那須塩原市内で開かれ、要望事項などを協議。県に対し水防災意識社会再構築に伴う対策の実施や農業農村整備事業推進のほか、現代版首都機能移転実現に向けた県民の機運醸成など11項目を要望することを決定。また、消防救急デジタル無線共通波設備費用に対する支援を市町村振興協会に求めることを決めた。

 県減災対策協議会が掲げる水防災意識社会の再構築については足利市、鹿沼市が提案。避難勧告などの判断材料となる危機管理型水位計、河川監視カメラの増設を要望。特に氾濫実績がある河川での早急な整備を要望。また、県管理河川での関係市町との情報伝達体制の検証とともに、中小河川でも迅速な避難行動につながるよう情報連携体制の強化を求めた。

 農業農村整備事業は小山市が要望。農地の大区画化、汎用化などの農地整備に加え、近年多発する集中豪雨や大規模地震に備え、農業水利施設の防災・減災対策、老朽化対策、田んぼダムの取り組みを推進し、国土強靭化に積極的に取り組む必要があると指摘。農業農村整備事業を強力に推進し、計画的に事業が執行できる予算の確保を国に働きかけるよう要請した。

 首都機能移転については開催市の那須塩原市が提案。新型コロナウイルス感染症によって東京一極集中のリスクが改めて顕在化し、地方への省庁などの首都機能の分散的な移転の重要性や必要性が再認識されたとし、現代版首都機能移転実現に向けた機運醸成活動の展開を要望。

 このほか教育ICT化費用の助成について栃木市と真岡市が端末などの整備だけでなく、更新費用など運用面での支援を県や国に対して要望。宇都宮市と佐野市は新型コロナウイルスの影響を踏まえた公共交通への補助継続を求めた。

 市町村振興協会に対する消防救急デジタル無線共通波設備については、2014・15年度に共同整備を行った機器設備の維持管理費用の助成を要望。21年度からの維持管理では3~7年で消耗する遠隔制御装置のバッテリーや管理監視制御装置のコンピューター機器、通信機器のルータなどの部品交換には準備金で対応していく。

 無線装置や抑制装置といった主要機器の耐用年数は10年程度と試算。安定稼働を維持しながら機器を更新するため、国庫補助金の活用による更新費用と併せ25年度までに更新時期を検討する。

 会議ではこのほか、洋式トイレの増設と消臭対策、全教室と体育館へのエアコン設置が盛り込まれた県義務教育振興協議会など市長会へ提出された各団体からの要望が報告された。また、9月29日の「安全・安心の道づくりを求める県民大会」の決議事項について、町村会などとともに自民党県連に要望したことが説明された。県への要望書は27日に提出する。

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