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(社)長野県建設業協会諏訪支部

諏訪地区土砂研が現場研修

2020/10/28 長野建設新聞

諏訪地区土砂崩壊災害防止対策研究会が22日に開かれ、委員の岡谷労働基準監督署や建災防諏訪分会、さらに特別委員として工事発注機関から諏訪地域振興局、諏訪建設事務所、岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町、原村の関係者が参加して現場研修を行い、施工方法の安全対策を検討した。

諏訪建設会館に集まった参加者を前に柴崎正彦署長は管内の9月までの休業4日以上の労働災害発生状況について「建設業は12人が被災された。昨年の同時期は13人だったのでほぼ横ばい。土木と建築の発生数もそれぞれ昨年と全くの同数。安心できる数字ではなく、一つ間違えば昨年よりも多くなると心配している。原因も墜落・転落が相変わらず多い。災害防止の取り組みをお願いしたい」と求めた。

続いて同研究会を代表し、建災防諏訪分会安全推進委員の伊坪宗夫会長は「諏訪地区の研究会は机上での講習会だったが、10年ほど前から現場研修を取り入れ、掘削現場における安全勾配や施工方法などを検討している。今回は規模の大きい法面の現場ではなく上水道の現場だが、かつて土留めをやっておらず生き埋めになった事例があった」と水道工事現場を選定した経緯を説明した。

諏訪分会の河西明彦事務局長がスケジュールを説明した後、参加者は現場研修に出発。岡谷市発注の上水道工事岡谷514号線その2(施工は水道建設)を訪問した。現場では当日の作業内容を聞いた後、現場の安全対策を確認した。

参加者は現場研修の後、諏訪建設会館にもどり、施工工法の安全対策を検討。伊坪会長は現地で撮影した写真を見ながら「歩行者用の道路が少しわかりにくい。夜間は見えにくいのでは」などと振り返った。諏訪建設事務所の河原整備課長は「道路の一部に開口部や隙間があり、安全対策をとる必要がある。また、車止めがなかったのが気になった。歩行者への誘導看板が見えにくいので、工事看板を含め表示方法を工夫してほしい」と述べた。労働基準監督署の牧野課長は「深さ1.5mでも労働安全規則では昇降設備を設ける必要があり、代理人にお願いした」と述べた。こうした意見を受けて伊坪会長は「歩行者用道路、昇降設備、夜間対策について研究会の名前で後日、施工者へ対策をお願いしたい」と総括した。最後に柴崎署長は「年末、年度末に工事が増える時に災害が発生しないよう、現場の安全管理をお願いしたい」と再度求めた。

岡谷市内の現場研修

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