記事

事業者
(社)埼玉県空調衛生設備協会

浦和工高でエアコン取付をプロが指導

2020/10/29 埼玉建設新聞

 埼玉県空調衛生設備協会(飯沼章会長)は27日、県立浦和工業高等学校で恒例の体験実習授業『プロフェッショナルに学ぶ』を実施した。『ヒートポンプと施工技術で地球を守る』などをテーマに掲げ、設備の意義やルームエアコンの設置を熱血指導。設備システム科1年の生徒39人が8班に分かれて実際の取り付け作業から試運転までの工程をしっかりと学んだ。

 当日は新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から1班を通常の10人から5人に減らすとともに、A~D班とE~H班の2回に分けて実習授業を実施。協会から新井清太企画経営委員長と中村広事務局長が出席したほか、技能五輪で優勝経験を持つ㈱埼玉ヤマトの赤尾智取締役技術部長が講師を務め、同社営業企画部の東和敏主任もサポートに入りながら生徒を指導した。

 開校式で新井委員長は「今年はコロナの影響で家にいることも多くエアコンを利用する機会も多かったと思います。エアコンは重要な設備として注目されております。今日はプロフェッショナル2人を協会から連れてきました。しっかり学んで進路への参考にして頂ければ」とあいさつ。生徒達の新たな技術の習得に期待した。

 体験実習前の講義では、赤尾氏が『ヒートポンプと施工技術で地球を守ろう』と題して講義。「これまで衣食住に関わる仕事は食べるのに困らないと言われていましたがコロナで打撃を受けています。一方、設備についてはさほどコロナの影響を受けていません」と述べた。

 続けて「建物は建てれば50年以上もつが、設備は設置した時から劣化が始まっておりリニューアルのタイミングが早い業種。これからは設備を前提とした建設が主流となります。さらに国はオゾン層保護・温暖化対策を推し進めており、設備は将来性がある業界です。その割にこの仕事を選ぶ人が少ないので競合も少ないと言えます」と業界入職への優位性を語った。

 その後、生徒らは実習室へと移動し実習作業を開始。怪我や作業ミス防止を念頭に、高性能エアコンの効率を落とさず設置する知識と施工を学習。指示書に基づき班ごとに助け合いつつ施工。

 各班が作業工程ごとに講師の助言を受けながら、設置前の準備作業ではドレンルートなど重要事項を確認。その後、仲間とともに室内機取付、室外機設置、フレア加工、配管接続、電線接続、エアパッケージ、試運転までの各工程を慎重に進めていった。

 閉校式では赤尾講師が総評を述べながら生徒の進路にエールを送り、体験実習授業が成功裏に幕を閉じた。

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら