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栃木県小山市

小山市総合計画、若木浄水場耐震化調査、学校や市営住宅長寿命化

2020/11/06 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山市は5日、市政運営の指針となる「第8次市総合計画素案」のパブリックコメントを開始した。計画期間は2021年度から25年度までの5カ年間。上水道は若木浄水場の耐震化と設備更新について調査設計し、休止期間に代替機能を持たせる鶉島浄水場を修繕。下水道は城南汚水ポンプ場整備、小山水処理センター改築、汚泥消化施設改築を達成する。ほか重点事業に大谷地区中心施設新設、学校施設や市営住宅の長寿命化、新規工業団地開発、小山駅東口周辺土地利用推進、城山3丁目第2地区市街地再開発、城山公園再整備を盛り込んだ。

 5年間のまちづくりの理念を示す「基本構想」、具体的な施策まとめた「基本計画」で構成。7月に就任した浅野正富市長の選挙公約を反映し、基本理念に「市民との対話と連携・協働による『田園環境都市・小山』を未来につなぐ持続可能なまちづくり」を掲げた。

 上水道は①安全②強靭③持続-の3つを政策課題に若木浄水場の耐震化と老朽化した設備更新の調査設計に加え、若木浄水場の休止に先立つ鶉島浄水場の修繕、15年の関東・東北豪雨で機能停止に陥った羽川浄水場の浸水対策、基幹管路を更新する。

 下水道は城南汚水ポンプ場整備、小山水処理センター改築、PFI方式の汚泥消化施設改築を完成。大行寺排水区雨水整備、汚水管(小山、扶桑、思川処理区)、浄化槽設置を促進。墓園やすらぎの森は24年度までに2墓所区701基の芝生墓地を整備する。

 大谷地域に行政、コミュニティ、高齢者・児童福祉、社会教育機能を併せ持つ複合施設「大谷地区中心施設」を建設。市内では間々田地区、桑地区、小山地区に続く4カ所目の交流センターとなる。自治会や各種団体との相互理解や地域コミュニティ活性化拠点とする。

 学校施設は長寿命化計画に基づき、既存施設を改修する。長寿命化6校、屋内運動場空調機設置10校、トイレ改修6校、屋上外壁改修28校を計画。1965~75年代にかけて建設し、一斉に老朽化が進む学校施設は予防保全的な改修を推し進める。

 市営住宅は28棟を長寿命化。新規工業団地を開発し、新たな雇用の創出や地域活性化につなげる。子育て環境では幼稚園と保育所の良さを併せ持つ認定こども園の計画的な移行、公立保育所民設民営化、新規に子ども家庭総合支援拠点を1カ所整備する。

 19年に国重要無形民俗文化財に指定された間々田のじゃがまいた(蛇祭り)は資料館を建設。国史跡の琵琶塚・摩利支天塚は古墳を整備。美観都市を目指し城山公園再整備、地区計画策定、景観計画活用、空き家解体助成、景観賞を実施する。

 市街地は小山駅東口周辺の大規模低未利用地の土地利用を促進、城山3丁目第2地区市街地再開発による人口の定着、都市計画道路3・4・101城東線の改良、間々田八幡公園整備、公園施設長寿命化、ウォーカブルなまちづくりを推進する。

 農村部は地域の特性を生かした快適で便利、安全安心で住み良い生活環境整備と農業生産性向上の基盤整備に取り組む。農道整備や経営体育成基盤整備を通じ、小区画で大型機械作業が困難な地域の農地を大区画化・汎用化し、農業の競争力を強化する。

 自然災害に備え、豊穂川や杣井木川流域の河道拡幅、築堤、調整池による排水対策を強化し、栃木南部地区国営土地改良事業の完成を目指す。市防災広場を2カ所整備し、資機材置き場に利用。新設予定の公共施設にマンホールトイレを設置し、緊急時に備える。

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