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栃木県日光市

日光市 トンネル長寿命化修繕計画、来年度逆川第1~3で工事、8本で対策、23年度までに5本

2020/11/14 日本工業経済新聞(栃木版)

 日光市は、長寿命化修繕計画に基づくトンネル補修に着手する。2030年度までに12本のうち8本で工事を予定。健全度Ⅲ判定の5本の工事を21年度から23年度までに実施し、30年度までにⅡ判定の3本を含む工事を計画。今年度は逆川第1、第2、第3トンネル(川治温泉滝)の設計を進めており、3本とも21年度に剥落防止対策を中心に工事を実施。21年度は月山第1トンネル(小百)、22年度は夫婦トンネル(日陰)で設計を委託し、それぞれ翌年度に工事を計画している。30年度までの概算事業費は10億円を見込んでいる。

 市は17年3月にトンネル長寿命化修繕計画を策定。対象は12本。総延長は約2700m。橋梁補修が進んできたことなどを踏まえて4月に計画を更新した。

 策定にあたっての健全度調査の結果は逆川第1~第3、夫婦、月山第1の5本がⅢ判定、板橋(板橋)、盾岩(鬼怒川温泉滝)、月山第2(小百)、小峠、明神、横峰、石焼(以上日向)の7本がⅡ判定。

 5年ごとの定期点検は12本で実施。川治ダム建設時に付け替えられた道路で現在は通行止め措置となっているものが多い小峠、明神、横峰、石焼の4本は当面、工事対象から除外。計画は適宜見直していく。

 逆川第1~第3トンネル(市道逆川線)は主要地方道川俣温泉川治線小網大橋付近から分岐する鬼怒川右岸のトンネル。道路幅員は8m。延長は第1が190・5m、第2が92・8m、第3が61m。1972~77年度に完成。主に龍王峡への観光ルートとして利用されている。

 補修設計業務は橋梁コンサルタント(東京都中央区)に委託。比較的損傷が軽微なため3本とも補修工事は来年度に実施を計画。28~29年度には空洞化対策を見込んでいる。

 月山第1トンネル(市道大桑~月山線)は1979年度完成で延長116m。今市ダムへ向かう道路。一部に空洞化がみられ、23年度に空洞対策と補修工事を計画。

 夫婦トンネル(市道戸川山線)は栗山ダムへ向かい、ダム管理用に使われている。完成は1980年度。延長は655・2m。空洞化で剥落の恐れがあるため対策が必要。一般車両の通行はできないものの、観光道路として利用を求める声があり、22年度の設計、23年度の工事を検討していく。

 12本の中で一般車両の通行が多い板橋トンネル(市道上板橋~下板橋線)ではひび割れ補修や空洞化対策の設計を24年度、工事を25年度に計画。延長は153m。1989年度に完成した。

 盾岩トンネルは鬼怒川温泉滝地区の観光用遊歩道の隧道で延長72m。26年度に補修設計、27年度に工事を予定している。

 月山第2トンネル(市道大桑~月山線)は1979年度の完成で延長461・7m。今市ダムへの道路で28年度の補修設計、30年度の工事を計画している。  市のトンネルは1970~80年代に建設されたものが多く、20年後に50年以上が経過するものが約90%になる。早期に対策を講じ、利用者の安全を確保する。

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