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千葉県県土整備部

押切橋の整備が始動/県県土整備部/説明会で概略ルートなど/年度内に都市計画原案

2020/11/18 日刊建設タイムズ

 県県土整備部は、市川市と東京都江戸川区に架かる新たな橋梁として整備を検討している「(仮称)押切橋」について、15日に市川市の南行徳公民館で説明会を開催した。当日は▽計画概要▽整備効果▽概略ルート・構造等▽今後の進め方――について説明。今後、都市計画の決定に向けた手続きを進め、事業化を目指す。年度内に都市計画原案をまとめ、都市計画原案に関する説明会を開催する予定。

 都市計画の対象路線は「都市計画道路3・4・25号湊海岸線」。計画では、市川市の県道市川浦安線の行徳駅入口交差点から行徳街道を高架し、旧江戸川を渡河。東京都側で、江戸川区の篠崎街道を高架して東京都の補助第143号線につなぐ。本県側の延長は旧江戸川の都県境から市川浦安線までで約400mを見込む。

 幅員構成は、市川市側の取付部では、本線車道と、両側に側道および自転車歩行者道を整備するほか、渡河部では、本線車道と、両側に自転車歩行者道を整備する計画を参考として示した。

 都市計画道路3・4・25号湊海岸線は1967年に計画決定している。このため、都市計画の変更手続きを進めることになる。都市計画決定に向けては今後、都市計画原案を作成し、年度内にこの説明会を開催。▽都市計画案の概要の公告・縦覧▽公聴会の開催▽都市計画案の公告・縦覧▽都市計画審議会の承認――などを経て、都市計画決定となる。その後、測量・調査などに着手する。

 江戸川、旧江戸川の都県境区間では、京葉道路の江戸川大橋があるものの、一般道路では国道14号の市川橋から県道東京市川線の今井橋までの約8㎞にわたって橋がなく、首都圏の人口集中地区における直轄河川においては、橋梁間隔が最長となっている。

 また都県境では、江戸川および旧江戸川に架かる限られた橋に交通が集中し、交通混雑が発生している。このため、同橋を整備することで、今井橋などに集中していた交通が分散され、交通の円滑化が期待されるほか、本県の行徳地区と東京都の篠崎地区との結びつき強化による地域間交流の活性化、都内での都営新宿線瑞江駅へのアクセス向上、事故や災害などにより通行できなくなった場合の代替性の確保による防災機能の強化、災害時の都心から行徳地区への帰宅困難者の新たな移動経路の確保などの効果が期待される。

 説明会の資料は県葛南土木事務所調整課、市川市役所交通計画課、同行徳支所で今月30日まで配布する。また、県県土整備部道路計画課のホームページでも閲覧できる。

計画概要図

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