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流域治水プロジェクトの策定進む

2020/11/27 群馬建設新聞


新たな防災・減災の考え方として注目される流域治水。国土交通省は全国109の一級水系全てで、国や各自治体が連携して行うハードおよびソフト対策となる流域治水プロジェクトの策定作業を進めている。水系内にある流域ごとに流域治水協議会を設置して検討、プロジェクトとしてまとめる。群馬県内が中心となる協議会は利根川・江戸川流域治水プロジェクトのうち、烏川・神流川流域を対象とした流域治水協議会がある。国土交通高崎河川国道事務所と群馬県、埼玉県、流域の市町が連携して、総合的な災害対策の策定作業を年度内完了目指して進めている。

プロジェクトで位置付けられた事業については国庫補助などで有利とするなどの検討も行われており、効果的な防災・減災の加速が見込まれる。

利根川・江戸川流域治水プロジェクトは、烏川・神流川流域だけでなく、利根川上流と江戸川、利根川下流で協議会を設置。各協議会で治水対策を作成し、利根川、江戸川のプロジェクトとしてまとめる。協議会を構成しているのは烏川・神流川流域にある高崎河川国道事務所をはじめ、群馬県と高崎市、藤岡市。埼玉県と上里町、神川町。現在はそれぞれが持つ既存の計画を集約した中間とりまとめが行われた段階で、年度内に利根川・江戸川流域治水プロジェクトとしての策定を目指す。

プロジェクト内で行われる事業としては、烏川・神流川流域にある各河川への堤防整備や河川掘削といった直接的な対策だけでなく、流域にある市町で下水道など排水施設整備や防災公園、河川監視カメラの設置などもプロジェクトに盛り込む。また、流域の32ダムでの事前放流体制やホットラインの構築、排水作業計画の策定など自治体間での連携した取り組みも行われる。

烏川・神流川流域以外で、県内の河川を対象とした流域治水協議会があるのは利根川・江戸川流域のうち利根川上流域と渡良瀬川流域。いずれも県内は東毛地域が中心となり、それぞれで年度内のプロジェクト策定を目指して準備が進む。

近年の激甚化・頻発化する豪雨災害に対しては、各自治体だけでの対策だけ連携した取り組みが不可欠。自然災害という共通の課題を乗り越えるためにも連携体制の構築と計画的な防災・減災対策を進めなければならない。

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