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千葉県県土整備部

低層化で工期短縮/千葉リハビリセンター基本設計/技術提案書を縦覧/山下と2・2億円で契約

2020/12/15 日刊建設タイムズ

 県県土整備部営繕課は「県千葉リハビリテーションセンター建設工事基本設計」について、山下設計(東京都中央区日本橋小網町6―1)と11日付で契約した。契約金額は2億2000万円(消費税込み)。工期は2021年12月9日まで。また契約に併せて、公募型プロポーザルにより特定された同社の技術提案書(課題への対応)の縦覧を14日に開始した。提案書では、段階的建て替え・開設への対応として、施設全体の低層化と構造の合理化により工期の短縮を図り、工事の影響を抑えるとした。

 同センターの建設は、現センターを運用しながら段階的な建て替えを実施することによる工事の長期化が課題となる。技術提案では、建物が高層化し工事が長期化することで、利用者の療養環境等に影響を及ぼす可能性があるとして、▽工事期間の最短化▽工事中の安全確保▽工事影響の最小化――を重視することとした。

 建物構造については、外来診療棟をS造地下1階地上7階(塔屋1階)建て、居住棟をRC造4階(塔屋1階)建てとして提案した。外来診療棟はS造とすることで工期短縮を図り、利用者への影響期間を最短化する。基本計画案では、外来診療棟をRC造地下1階地上10階(塔屋1階)建て、居住棟をRC造7階(塔屋1階)建てとしていた。

 工期は、建物の低層化により1期工事で約10・5か月、2期工事で約1か月の計約1年を短縮。これにより工事費も3・5億円削減する。工期は1期工事に約24か月、2期工事に19・5か月とした。

 建物の配置は、居住棟を袖ケ浦特別支援学校のある東側に配置することで、同校との連携に配慮。また、県こども病院のある西側に外来診療棟を配置することで、同病院との連携に配慮する。

 千葉リハビリテーションセンターは、本県の障害者リハビリテーション体制の中心的な役割を果たしてきた。設置から40年近くが経過し、老朽化の進行や高度化する医療ニーズへの対応などが課題となり、再整備を実施することになった。

 建設場所は現センター敷地内(千葉市緑区誉田町1―45―2)。施設整備は、新棟の建設と既存棟の解体を繰り返すローリング方式による段階的な建て替え・開設を行う。23年度以降に建設工事を行い、30年度中の全施設供用開始を目指す。基本計画では概算事業費に約270億円(消費税込み)を見込んだ。

 基本設計は、公募型プロポーザルにより設計者を選定。技術提案書を4者が提出し、10月27日の選定委員会で特定した。技術提案書の縦覧は今月25日まで実施する。

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