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群馬県富岡森林事務所

県富岡森林事務所は南野牧タラ久保地内で地すべり対策工など指名

2020/12/16 群馬建設新聞

県富岡森林事務所は、下仁田町南野牧(タラ久保)地内で実施する予防治山事業で集水井工や谷止工1基の新設工事を年度末の3月に一括で指名通知する。集水井工はφ3500㎜1基と2カ所の集水ボーリング工を計画。2021年度は谷止工2基の設計から工事のほか、設置されている計器類の調査を見込んでいる。19年度末時点の進捗率は総事業費の約64%となっており、事業完了となる21年度までの残事業費は約1億1800万円となる。

現場は、国道254号と主要地方道下仁田浅科線が交差する箇所の南東側の保安林内。林内には254号から現場に接続する工事用道路が通っている。

タラ久保地区は15年度に工事着手、21年度の完了を目指す。総事業費は3億3336万4000円を見込む。19年度末の進捗率は事業費ベースで64・6%。

20年度は3500㎜、深さ12mの集水井を工事用道路沿いに1基新設。また、集水井から放射状にφ40㎜のVP集水管を8本配置する。削孔はφ90㎜、1本当たりの長さは35mで合計280m。延長34mでφ100㎜SGP排水管を1本敷設する。

集水ボーリング工は2カ所で実施。1カ所は新設する集水井の北側へφ90㎜で掘削し、長さ26m、φ40㎜のVP集水管を放射状に4本、合計104m敷設する。

残る1カ所は国道254号付近でφ90㎜掘削し、長さ21m、φ40㎜のVP集水管を放射状に4本、合計84m施工する。

集水井工や集水ボーリング工の設計は日本工営(東京都千代田区)がまとめた。

谷止工は集水井の南西側を東西に流れる沢に1基新設する。規模は堤長19・5m、堤高6・5m、コンクリートボリューム214・9立方m。測量設計は群馬県森林・緑整備基金(榛東村)が手掛けた。

21年度は今回施工する谷止工の東側に2基新設する。2基合わせたコンクリートボリュームは430・2立方mを見込む。堤長や堤高、コンクリートボリュームは21年度に委託する調査設計業務で検討する。また、同業務ではこれまでに設置したパイプひずみ計や地中伸縮計、地下水位計の観測や斜面安定解析を行い、効果の確認も行う。

現場は地すべり性の活動や亀裂が確認されており、原因は降雨などによる地すべり地内の地下水位増加に伴う地盤強度の劣化や小渓流の荒廃による地すべり側部・脚部の流出による相互作用が想定されている。このことから集水ボーリングや集水井により、地下水上昇を抑制した後、地すべり側部および脚部の渓岸侵食防止するため谷止工を施工する。

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