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設計不備での対応質す/一抜け方式は3件以上で/県現地機関と意見交換

2020/12/16 長野建設新聞

 県建設業協会長野支部(岡澤元夫支部長)は14日、県現地機関との意見交換会を長野市のホテル信濃路で開催した。支部は受注機会を確保するため、一抜け方式を採用する際は対象を3件以上とするよう要望。設計成果に不備があった場合の適切な対応やコンサルタントへの指導も求めた。

 会合には県から長野建設事務所の下里巌所長をはじめ、浅川改良、裾花ダム管理、千曲川流域下水道、川中島水道管理の各事務所、長野地域振興局の農地整備、林務両課および北信会計センターの職員計23人が出席。支部側は31人が参加した。

 冒頭、岡澤支部長は「今年は春先からコロナ対策をどうするのか、災害復旧を止めるわけにはいかない、という中で頑張ってきた。きょうは会員から質問や要望を挙げさせてもらう。受発注者が両輪となって災害復旧や公共工事を進められるようつなげていきたい」とあいさつ。

 下里所長は、これまでの災害復旧への協力に謝意を表し「暮らしを支えるため、地域に根差した建設産業が欠かせない存在であることを県民も実感していると思う。きょうの意見交換会は受発注者が情報を交換し合う貴重な機会。課題を共通認識とし、理解を深め、信頼関係を構築し、解決の足掛かりにしたい」と応じた。

 議事では支部からの質問・要望に県が答える形で進められた。入札・契約関連では、条件変更の協議の際に「入札時に質問がなかった」との理由で応じてもらえなかった事例があったことを報告。これに対し県は「協議に応じない理由にはならない。監督員とのやりとりでそうしたケースがあれば、係長や課長に話してほしい」と回答した。

 一抜け方式を採用する際は対象を3件以上とするよう求めたのに対しては、「一抜け方式や参加要件は、地元企業の持続的発展や受注機会の確保を目的として、場所、規模、内容、施工条件を勘案し、その都度状況に応じ設定している」と述べるにとどめた。

 また設計・施工関連では、設計成果の不備を指摘する意見が挙がり、「受注者が資料を作り協議しなければならない。工事ができない間も経費は掛かる」「根本から設計内容を変更する場合はコンサルタントに差し戻してほしい」と訴えた。

 これに対し県は「委託の成果は納品時のチェック、完了検査での内容確認等を行っているところだが、指摘された実態を踏まえ、工事の発注段階でもチェックをしてまいりたい」「設計変更に必要な資料の作成は原則発注者側が行うことになっているが、時間的制約により受注者に依頼する場合もある。協議の上、適切な費用を計上するとともに、受注者の責務によらず工事の施工ができない場合には一時中止および経費の計上について適切な処置を講じてまいりたい」「設計図面ラベルの調査関係の会社名の明示については、現状まちまちとなっており、今後は明示する形で統一する」と答えた。

 このほか支部からは「護岸ブロックの胴込めコンクリートの圧縮強度試験の実施基準を『50m3に1回』としてほしい」「同地区において別部署や別機関で発注物件が重なる場合には、工程計画や工程管理に影響が出ないよう事前に調整してほしい」との要望が伝えられた。

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