長岡市で14日、長生橋を愛する会、新潟県建設業協会長岡支部主催による「長生橋フォーラム2020」が開かれた。長生橋の歴史と構造、補修計画を軸に4講演が展開され、約100人の参加者が熱心に耳を傾けた。
開会に際してあいさつに立った県建設業協会長岡支部の大石保男支部長は「長生橋はことしで84歳。今でも1日当たり1万5000台の交通量がある。数年かけて大規模な補修工事を進める。現在の補修技術が向上しても、酷使しながら健全な状態を保つには限界も感じる。交通量を保ちながらの補修など、兼ね合いを考えていく必要がある」と補修の重要性を指摘した。
長岡工業高等専門学校の井林康氏は、長生橋の最大の特徴であるトラス構造を解説。同橋周辺に架かる越路橋や大手大橋、蔵王橋の変遷も織り込みながら、多径間カンチレバートラス橋のメリットとデメリット、ヒンジの種類や伸縮装置の違いを説明した。
補修に係る計画の概要に言及した県長岡地域整備部維持管理課の水野隆課長は、長生橋の健全度について「2015年度の点検結果で、橋梁部は道路橋の機能に支障が生じる可能性があり、早期の措置が必要。歩道橋部分は予防保全の段階」と述べ、補修工事の実施案として上弦材補修工から14工程を経、最後の排水管補修工完了に至るまで約8年間の期間を要すると話した。
【写真=長生橋の歴史と課題を学んだ】