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栃木市、スポーツ施設適正化、25施設の個別計画明示、来年度2体育館、1運動場で工事

2020/12/23 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は、スポーツ施設ストック適正化計画の素案をまとめた。計画期間は2021年度から30年度までの10年間。初年度は大平体育館、藤岡総合体育館、岩舟総合運動場の3施設で工事を実施。22年度は大平武道場、西方総合文化体育館の設計、市屋内運動場の工事を計画した。合併前の旧1市5町が保有するスポーツ施設のうち、25施設の工事や統廃合計画を盛り込んだ。計画の実効性を高めるため、5年を目安に計画を見直す。(3面に評価結果)

 21年度は大平体育館の舞台装置を撤去、藤岡総合体育館はトイレ改修設計・工事と非常電源交換工事、岩舟総合運動場はトイレ改修工事。思川沿いの大光寺河川敷運動場、永野川沿いの大皆川ニュースポーツ広場の2カ所は冠水被害が多く廃止する。

 大平地域は7つの地域の広場があり、全てが借地。複数自治会が各種イベントに活用する地域密着型の多目的広場。21~23年度の3カ年をかけ、賃料の見直し交渉や集約化について地元と協議する。1980年代初頭に整備され、付帯設備の劣化が目立つ。

 22年度は大平武道場耐震改修設計、西方総合文化体育館はLED照明改修設計を委託。市屋内運動場はLED照明改修工事。グランドゴルフ場の三鴨スポーツ広場と大柿西運動場は廃止する。利用者が極端に少ない西方総合公園弓道場は廃止する。

 23年度は大平武道館の耐震改修工事、西方総合文化体育館のLED照明改修工事。翌年度の工事に備えて岩舟体育館は耐震設計、藤岡総合体育館はLED照明設計、つがスポーツ公園はテニスコート人工芝設計、西方総合公園は夜間照明設計を委託する。

 24年度は岩舟体育館耐震改修工事、藤岡総合体育館LED照明改修工事、つがスポーツ公園テニスコート人工芝張り替え工事、西方総合公園夜間照明修繕工事。引き続き岩舟体育館はLED照明設計に入る。岩舟体育館は利用者が多く、耐震強化の上で存続する。

 25年度は岩舟体育館LED照明改修工事のほか、大平南体育館と大平武道場のLED照明設計を委託。利用者アンケートでは「屋内施設の照明が暗い」という声が寄せられており、改善する。岩舟総合運動場テニスコートは改修設計を委託する。

 26年度は大平南体育館と大平武道館LED照明改修、岩舟総合運動場テニスコート改修工事。設計委託が都賀南部コミュニティセンターLED照明。27年度は都賀南部の本工事、木コミュニティセンターのLED照明設計、西方総合公園のテニスコート設計。

 28年度は木コミュニティセンターLED照明改修工事、西方総合公園テニスコート修繕工事。29年度は大柿コミュニティセンターLED照明設計、30年度がLED照明改修工事。屋内施設は指定避難所を中心に計画的に改修し、機能を保持する。

 市は「元気はつらつスポーツコミュニティとちぎ」をキャッチフレーズに、スポーツに親しむ機会の充実や地域に根差した適正で計画的な維持管理に努めている。旧市町が保有する全施設が残り、多額の維持管理費、経年劣化改修工事費、借地料が増大している。

 少子高齢化に伴い全施設の維持は困難なため、施設の廃止や縮小、集約化が不可欠。スポーツ施設の現状把握と分析、評価によってスポーツ施設の持続的な提供と利便性向上を目的に総点検。安全安心、利用状況、維持管理コスト、最適な施設の在り方を検討した。

 指標基準はA(健全=日常の維持保全で管理)、B(部分的に劣化=定期的な観察が必要)、C(劣化が進行=補修または更新)、D(劣化が顕著=緊急補修または更新)で評価。安全性、機能性、法令適合性を点検し良と劣に区分した。利用者が少ない施設は廃止する。

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