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下野市 体育施設長寿命化計画、南河内、石橋センター・武道館を改造、新年度にスポーツ交流館外壁調査…

2021/01/28 日本工業経済新聞(栃木版)

 下野市教育委員会は、体育施設等長寿命化計画を策定した。2030年度までの10年間にスポーツ交流館外壁改修、南河内東体育館屋根改修、国分寺武道館と南河内武道館の長寿命化、南河内体育センター、石橋武道館、石橋体育センターの大規模改造、南河内東体育館を長寿命化する。当面は全16棟の現有施設を維持し、事後保全型の管理から予防保全型に転換。施設は築20年で大規模改造し、築40年で長寿命化改良。屋外トイレは築20年で長寿命化改良し、築40年での改築を基本とする。30年間の維持更新コストは30億円と試算した。

 スポーツ交流館外壁改修は21年度の調査費が49万5000円、22年度の工事費が1380万5000円。23年度の南河内東体育館屋根改修は953万531円。24年度の国分寺武道館長寿命化は9111万1000円。25年度の南河内武道館長寿命化は4833万円。

 26年度の南河内体育センター大規模改造は2億1245万円。27年度の石橋武道館大規模改造は2億90万円。28年度の石橋体育センター大規模改造は3億7012万5000円。29年度は該当なし。30年度の南河内東体育館長寿命化は7401万6500円。

 計画期間は20年度から50年度までの30年間。このうち10年間の具体的な整備計画を盛り込んだ。地域別分布は国分寺に6棟、南河内と石橋に各5棟。ほぼ耐震化されており、全体的に老朽化が進む。構造躯体は全てが健全で、長寿命化が可能と確認した。

 延べ面積は旧耐震基準7000平方m(7棟)、新耐震基準3000平方m(9棟)の計1万平方m。30年間の更新コストは従来型の改築中心では年平均1億5000万円の総額44億円、長寿命化型は年平均1億円の総額30億円。32%のコスト縮減が可能。

 施設区分は屋内施設が石橋体育センター(大松山)、南河内体育センター(仁良川)、国分寺聖武館(国分寺)、南河内東体育館(本吉田)、国分寺B&G海洋センター(小金井)、旧国分寺西小学校体育館(川中子)の6棟。講堂はスポーツ交流館(大松山)の1棟。

 武道館は石橋(石橋)、南河内(仁良川)、国分寺(駅東)の3棟。弓道場が石橋弓道場(上大領)、国分寺静思館(川中子)の2棟。屋外トイレは南河内東部運動広場(上坪山)、五千石球場(成田)、大松山運動公園(大松山)、国分寺運動公園(小金井)の4棟。

 建て替えまでの目標耐用年数はRC造、S造とも80年に設定。躯体以外は①屋上や屋根②外壁③内部仕上げ④電気設備⑤機械設備-の5項目に分類し、技術者の目視調査でA(良好)、B(部分的に劣化)、C(広範囲に劣化)、D(早急に対応)の4段階で評価する。

 健全度の低い施設から優先的に対策を講じる。調査ではA、B判定が多く、全体的に良好。湿式トイレの乾式改修や洋式と和式の設置比率、環境への配慮(LED化、節水、バリアフリー)を検討。アリーナ内の排煙窓の開閉不良や漏水箇所は順次改修する。

 築年数に応じた分類はAグループ(29年以下)が石橋武道館、石橋弓道場の2施設。Bグループ(30~39年)が南河内東体育館、スポーツ交流館、国分寺B&G海洋センター、国分寺静思館、旧国分寺西小学校体育館の5施設。

 Cグループ(40年以上)が石橋体育センター、南河内体育センター、国分寺聖武館、南河内武道館、国分寺武道館の5施設。このうち石橋、南河内の両体育センター、国分寺聖武館は健全度が保たれており、建て替えではなく大規模改造とする。

 長寿命化には日常的・定期的に施設の清掃や点検を実施し、機能や性能を保つ。異変の早期発見や建物の劣化状況の把握に努め、データを蓄積。修繕の最適な時期や材料、工法の追求で維持管理にフィードバック。突発的な修繕案件が減少し、投資的経費を抑制する。

 概算金額と改修内容の予測ができるため、国の補助金、有利な地方債の積極的な導入、公共施設等整備基金を効果的に活用する。「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営む場」に位置付け、地域社会の持続的な発展に貢献する。10年ごとに計画は見直す。

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