記事

事業者
栃木県

県 改良復旧に着手、巴波川153億、田川90億円、25年度まで

2021/01/30 日本工業経済新聞(栃木版)

 県は、2019年の東日本台風で市街地に浸水被害が発生した1級河川巴波川(栃木市)と田川(宇都宮市)の改良復旧事業に着手する。2河川とも事業期間は20~25年度の6カ年。全体事業費は地下捷水路(バイパストンネル)を築造する巴波川が約153億円、調節池などを整備する田川が約90億円。

 国の防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策に呼応する。巴波川は河川激甚災害対策特別緊急事業、田川は防災・安全交付金事業。20年度補正予算で巴波川に3億円、田川に1億5000万円の事業費が認められた。

 巴波川の地下捷水路の区間は荒川合流点下流(大町)~平成橋下流(沼和田町)の約2・4㎞。管径は約5・5m、計画流量は毎秒60立方m。第3小学校付近の県道栃木粕尾線から宇都宮亀和田栃木線、南小林栃木線の直下に築造する。基本設計は三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)。

 補正予算では分流施設を設置する流入部の用地調査や用地買収を実施。近く詳細設計業務を委託し、21年度までに固める予定。22年度に地下トンネル工事を発注して工事に着手、25年度に完成させる計画。

 田川では上流の山田川合流点付近(岩曽)と下流の給分堰(川田)付近の左岸に越流堤を設け調節池を1カ所ずつ設置。調節池間の約6・5㎞で河床を約50㌢掘り下げる。

 下流の調節池は約16・6ha、容量33万6000立方m。上流の調節池は山田川を北側に付け替え面積約18・5ha、容量24万3000立方mを確保する計画。

 補正予算を活用して調節池の基本設計や用地調査などを実施。当初予算分を含め21年度は調節池の詳細設計を進める方針。

 総合治水計画作成業務は建設技術研究所(東京都中央区)が担当。宇都宮市の流域治水対策と併せて安全度を向上させる。

 用地買収や補償を進め22年度に下流の調節池工事に着手。24年度から河道の掘削工事を実施し、25年度に調節池と河道掘削を完了させる予定。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら