県道路整備課は、鋼道路橋の塗り替えについて、これまで基本としてきた全面塗り替えから転換し、桁端部など劣化部分のみを対象とする部分塗り替えを積極的に採用する方針を示した。原則4月1日以降に起工する工事が対象となり、このほど計画・設計要領を策定した。
塗り替えの必要性はマクロ腐食環境のほか◇ローカル腐食環境◇腐食損傷-などの指標を基に、端部のみとするか、中間部での塗替が必要かなどを判断する。
マクロ腐食環境は海から飛来する塩分による影響を表すもの。県内全域が対象外となるため全域で腐食環境は穏やかと判断し、基本的に桁端部の塗り替えを行うよう設定。
桁下の水面や地山からの距離、植生の状況、凍結防止剤の影響などといったローカル腐食環境と腐食損傷の状況によって、中間部の塗り替えを行うかを判断。なお、凍結防止剤の影響を受けている橋梁は少ないことが見込まれる。
このほか、前回の塗り替えから短期間で損傷が発生していた場合などは腐食環境が厳しい橋梁とし、判定を行う。必要性の判定後に、定期点検の対策区分により塗り替え時期を決める。
塗り替えの範囲は、橋台前面と地山の近接範囲を基本に、腐食により損傷をした箇所、補鋼材や継手などを避けた平坦部が対象。塗装仕様は重防食塗装系のRC-Ⅰ塗装系を基本とする。
橋梁の塗り替えはこれまで、塗膜の健全性を維持管理する観点から実施。老朽化した橋梁が増え修繕費用の増加が見込まれていることから、その削減を目的に鋼材自体の腐食進行性に着目した構造の安全性を維持管理するように変更する。