県河川課は、２月補正予算に計上した所管補助・交付金事業の実施箇所をまとめた。事業費は１０２億８５００万円。田川（宇都宮市）、巴波川（栃木市）など改良復旧７河川を含む３５工区で河川整備を推進し、永野川（栃木市）や思川・乙女網戸（小山市）、熊川（那須塩原市）などで掘削や護岸工を促進。新規は改良復旧の田川、巴波川のほか姿川・大谷（宇都宮市）、小藪川・楡木町（鹿沼市）、大内川（那珂川町）、旗川（足利市、佐野市）の６工区。測量設計や調査などに取り組む。

　事業は防災・安全交付金が２４工区４４億６６００万円、大規模特定河川改修が４工区１４億１０００万円。災害復旧助成が３工区３３億９６００万円、河川激甚災害対策特別緊急が２工区９億２０００万円、災害関連が２工区９３００万円。

　災害復旧助成の永野川は２２億９５００万円、荒川・塩谷（那須烏山市）は９億６３００万円。荒川は下流の向田工区にも交付金２億円を充て築堤や掘削、護岸などの整備を推進する。

　災害復旧助成の思川（鹿沼市）は１億３８００万円、災害関連の黒川（壬生町）は４１００万円で掘削や護岸工などを進める。

　秋山川（佐野市）は２事業で合計６億７２００万円。下流の統合堰改築や掘削、護岸工などを実施する。

　新規の巴波川は約２・４㎞の地下捷水路（バイパストンネル）の詳細設計や用地調査などに３億円。田川は岩曽と川田地区の調節池や掘削する河道の設計などに１億５０００万円。

　大規模特定河川の武名瀬川（上三川町）は４億５８００万円で橋梁架け替えや掘削、護岸工、熊川（那須塩原市）は交付金も含め６億３２００万円を充て掘削や護岸工事を進める。排水機場を建設中の杣井木川（小山市）は４億７０００万円。既存設備の長寿命化も実施する。

　防災・安全交付金で新規の姿川・大谷は３億円。主要地方道宇都宮今市線の大谷橋（大谷町）から桜田橋（新里町）の延長約３・８㎞が事業区間。掘削や護岸工などとともに豆田川合流点付近に調節池を設置する計画で用地調査などの実施を予定。

　小藪川・楡木町の事業区間は、未改修で残る黒岩堰（楡木町）から主要地方道鹿沼足尾線の小藪橋（樅山町）までの延長約３・３㎞。測量や設計、掘削や護岸などの工事を計画している。

　大内川は盛谷川合流点から上流約４・４㎞の改修を計画しており、河道の測量や設計、地質調査、橋梁設計を予定。旗川は２億円で稲岡橋の架け替え設計、地質調査、掘削工事などを計画している。

　このほか主な工区では思川・乙女網戸に９億８４００万円、田川・土沢（日光市）に２億円、芳賀遊水地（芳賀町）に１億３０００万円を配分し、掘削などの整備を促進。姥川（足利市）、思川・深程（鹿沼市）、五行川・本川（真岡市）などでは設計を進める。

　このほか各河川で危機管理型水位計、簡易型監視カメラなどの情報基盤を整備し、浸水リスク想定図を作成する。