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栃木県住宅課

県営若草住宅、4月にも基本設計者選定手続き、若草23年度、西川田24年度1棟目建設

2021/03/24 日本工業経済新聞(栃木版)

 県住宅課は、宇都宮市の県営若草住宅(若草)、西川田住宅(八千代)の建て替え事業に着手する。若草住宅を先行し、4月にも基本設計の発注手続きを始める。設計者選定方法は指名競争入札が有力で総合評価の適用が検討される見込み。2021年度予算に基本設計や実施設計、解体設計の委託費用約1億3000万円を措置。若草住宅の1棟目は22年度までに実施設計を完了し、23~24年度の2カ年で建設。西川田住宅は22年度に基本設計、23年度に1棟目の実施設計、24~25年度の建設を予定している。

 両住宅とも3棟を建設する計画。若草は整備戸数300戸、事業予定期間33年度まで、総事業費約80億円。西川田の整備戸数は170戸、事業予定期間35年度まで、総事業費約50億円。2棟目以降の実施設計や工事の時期は入居状況などを踏まえて決定していく。

 若草住宅は1万6467平方の敷地にRC造8階建て延べ床1万7400平方m、西川田住宅は9924平方mの敷地にRC造6階建て延べ床9750平方mの住棟を建設する計画。

 住棟にはエレベーターを設置し、段差解消や引き戸などの高齢者用設備を適切に導入。バリアフリー住戸を供給し、高齢者や子育て世代などにも対応する。

 住戸タイプは単身者やファミリー向けなど3種類以上を用意する考え。建て替え事業が円滑に進むよう1棟目の戸数を多くすることも検討する。両団地とも駐車場は1戸1台分を確保し、100平方m規模の集会所1棟を建設する予定。基本設計で日影や高さ等に関する法規制などを調査し、全体配置計画を決定していく。

 若草住宅の周辺はとちぎ福祉プラザなどの福祉施設や医療、教育施設、西川田住宅の周辺は一般住宅や教育施設、鉄道駅が立地。いずれも幹線道路が近く、公共交通の利便性も高い良好な立地環境。住宅セーフティネット機能向上のため県が事業主体となって現在地で建て替えを実施する。

 現在の若草住宅は1962~64年度に建設。住棟はRC造4階建て12棟、戸数304戸。西川田住宅は61~63年度に建設。住棟はRC造4階建て5棟、160戸。

 建設から60年近くが経過して老朽化が著しく、温熱環境や遮音性といった住宅性能も現行基準を満たしていない。高齢者が半数近くを占めるもののエレベーターがなく、バリアフリー化が求められている。建て替えによって安全性を確保するとともに居住水準を向上。誰もが安心して快適に暮らせる居住環境を整備する。

 若草、西川田住宅とも21年度から移転補償を開始。若草住宅では解体設計を21年度に行い、22年度に必要な解体工事を実施。西川田住宅は22年度に解体設計、23年度に解体工事を実施する予定。

 若草住宅の事業費は測量設計費に約4億円、工事費に約75億円、移転補償費に約1億2000万円、西川田住宅は測量設計費に約2億円、工事費に約47億円、移転補償費に約8000万円を試算している。

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