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農林水産省信濃川左岸流域農業水利事業所

掘削マシンを間近に/1号トンネル工事を見学

2021/04/15 新潟建設新聞

 国営信濃川左岸流域農業水利事業で建設する1号幹線用水路1号トンネル建設工事のシールドマシン見学会が10日、小千谷市内で開かれた。地域住民約80人が発進立坑の深さ13mに設置されたシールドマシンを間近で見学。信濃川左岸流域農業水利事業所や施工を担当する熊谷組担当者が参加者の質問や疑問に丁寧に答えていた。

 参加者は、8グループに分かれて各回10人ほどで現地を訪れた。信濃川左岸流域農業水利事業所の担当者による事業概要説明、熊谷組の担当者による同工事の概要説明を聞いた後、立坑の階段を降りて現場へ向かった。設置されたシールドマシンの横には事業者らの好意でペンが用意され、記念の文字や絵などを機械に残す人も。

 1号幹線用水路1号トンネル建設工事は、筒状のマシンで土を削り取り、壁や天井となるセグメントを貼り付けながら進むシールド工法により、2・6kmのトンネル水路(内径3500mm)を新設する。既存の2号トンネルに直接接続する新たな送水ルートを造ることにより、農業用水の安定送水で課題となっていた1号幹線用水路と茶郷川の兼用区間を分離する。

 今月中旬に掘削へ着手し、1号トンネル建設工事の予定工期は23年11月30日まで。

 見学会に参加した近隣地域の男性は「テレビなどで見たことはあるが、実物の迫力はすごい」「掘削と同時に固めていくため安全」「コントロールルームからマシンの位置を修正していることに技術の進歩を感じた」と大規模工事ながら最新の技術によって安全施工を実現していることに関心を持った様子。

 同事業では、長岡市、小千谷市に広がる約4500haの水田に農業用水を安定供給するため、小千谷頭首工の改築や1号トンネルの新設、老朽化した農業用水路の改修等を行う。事業期間は2017年度から25年度までの9年間。総事業費は200億円が見込まれている。

【写真=発進立坑内のマシンを見学した】

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