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栃木県宇都宮市

宇都宮市、宝木住宅再生に着手、1~3号棟工事、4~6号棟実施設計

2021/04/15 日本工業経済新聞(栃木版)

 宇都宮市は、宝木市営住宅(宝木町2丁目)の再生工事に着手する。6月までに北側B街区のRC造5階建て1、2、3号棟の耐震補強と外壁を再塗装する改修工事を発注し、4、5、6号棟の実施設計を委託。耐震補強はアウトフレーム工法。年度後半に1~3号棟周囲の舗装も行い、入居者の安全確保と外観のリニューアルを図る。老朽化した2階建て住棟の解体も開始。16棟90戸の解体工事を6月までに発注する。当初予算に約9億4300万円を計上した。

 宝木住宅は53棟700戸の大規模団地で1970年から73年に建設。住棟は耐火構造5階建て15棟480戸(3DK)と準耐火構造2階建て38棟220戸(2DK)で構成。特に2階建て住棟は老朽化が著しく、5階建て住棟も設備などの老朽化が進んでいる。敷地は南北に細長い形状で約6・2ha。

 5階建て住棟15棟のうち北側A、B街区の10棟340戸は耐震補強が必要。今年度はB街区の東側に建つ1~3号棟で補強工事に着手するとともに、西側の4~6号棟で実施設計を策定。A街区の7~10号棟も次年度以降に実施設計を行い、計画的に工事を進めていく。

 1~3号の各棟は延べ床面積2100平方m。耐震補強のアウトフレームはバルコニー側に住戸の形に合わせて必要数を設置。足場を組むため外壁の全面改修を併せて行い、コスト縮減と事業の効率化を図る。各棟の外壁改修面積は2970平方m。

 耐震補強・外壁改修工事は1棟ごとに発注。工期は約220日。1~3号棟の実施設計は安藤設計(宇都宮市)が担当した。

 耐震補強と外壁改修の進捗後、秋に外構工事1件を発注。駐車場などに利用されている1~3号棟の周囲を再整備する工事で、アスファルト舗装約4400平方mを施工する予定。

 2階建て住棟は全38棟を段階的に解体する計画。今年度に解体するのは敷地中央西側C街区の16棟(29~44号棟)。延べ床面積は200平方mが12棟、240平方mが1棟、310平方mが3棟。工期は約180日を見込んでいる。

 東側D街区の12棟70戸と南側E-2街区の10棟60戸は次年度以降に解体。今年度に工事を実施する解体設計は猪瀬建築設計事務所(宇都宮市)が担当した。

 住棟解体後の市有地は駐車スペースや広場として暫定的に活用。住宅団地敷地の約4割を占める借地は解消を図っていく。5階建て住棟のうちE-1街区に建つ5棟140戸(45~49号棟)は十分な耐震性があるため現状を維持する。

 当初予算に住棟改修や解体除却工事費9億300万円、実施設計や工事監理業務委託料4000万円を計上した。

 宝木住宅の再生事業は段階的に推進。耐震補強後は居住者の意向を確認しながら室内の段差解消や手すり設置などのバリアフリー化、洋室化などを検討。多様な世代が居住可能な住戸へ改善していく方針

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