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国土交通省渡良瀬川河川事務所

渡良瀬河川事業概要、河川55億、砂防16億、中橋改築で橋梁下部工

2021/04/20 日本工業経済新聞(栃木版)

 国土交通省渡良瀬川河川事務所は、2021年度事業概要を公表した。当初事業費は前年度比0・3%減の33億6000万円。20年度補正予算38億4700万円と合わせて約72億円で治水対策や砂防事業を推進。河川改修は渡良瀬川の高山地区(佐野市)や野田町地区(足利市)の堤防嵩上げ、船津川町地区(佐野市)の高水護岸整備などを実施。特定構造物改築は渡良瀬川の中橋改築(足利市)で橋梁下部工を施工。砂防事業は日光市の松木川1号砂防堰堤や松木山腹工(畑之沢、大畑沢)などを整備する。

 補正と合わせた河川整備事業費は55億6300万円(補正33億700万円)。このうち河川改修費が38億2100万円(特定構造物改築2億4100万円、補正27億8500万円)、河川維持修繕費及び河川工作物応急対策費が17億4300万円(補正5億2300万円)。

 渡良瀬川下流の一般河川改修事業は、当初分で三杉川合流点付近の高山地区を整備。東北自動車から下流の左岸側で堤防の高さと厚みを増す工事を実施。佐野市内の浸水被害を防ぐ。

 補正予算では国道50号渡良瀬川大橋の下流左岸側の佐野市高橋町、右岸側の足利市野田町で堤防の嵩上げを実施。また、秋山川合流点付近の渡良瀬川で佐野市船津川町や右岸側の館林市大島町、板倉町西岡新田で高水護岸を整備するほか、板倉町除川地区などで堤防整備を推進。工事は第2四半期までに発注する。

 渡良瀬川の中橋では付近の堤防の高さや幅が不足。中橋も桁下高が不足し、老朽化しているため堤防の嵩上げと併せて架け替えを実施。足利市内の治水安全度を高める。現中橋はアーチ橋の一部を下流側に移し、歩行者・自転車専用として活用する計画。

 渡良瀬川の総合水系環境整備事業は500万円。足利市のかわまちづくり計画に基づき、盛土を行う堤防天端の平場を活用するために坂路などの施設を整備する。今年度は五十部地区の階段工設計。平場は民間事業者の参入によって賑わいの創出、地域活性化を図る。

 砂防事業費は16億3900万円(補正5億4000万円)。当初分は日光市内の松木川1号砂防堰堤改築、渋川砂防堰堤などを整備。補正分では松木川流域の松木山腹工(畑之沢、大畑沢)、松木川上流堰堤群や仁田元川砂防堰堤の改築などを実施。土砂災害対策を加速し、下流河川の土砂や流木流出に伴う洪水・土砂氾濫被害の防止、軽減を図る。

 河川の維持修繕は直轄管理区間の堤防や排水施設などの管理施設の巡視と点検を行い、異常が確認された際には補修を実施。堤防は除草し、目が行き届く良好な状態を保つ。

 補正予算では群馬県桐生市の堤町で河道掘削や樹木伐採を実施。また、管内各地で発生しているイノシシによる堤防の掘り起こし対策として広沢町などで法面補修を進める。

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