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栃木県下野市

下野市、南河内テニスコート拡張、8月公告、分割発注へ

2021/05/11 日本工業経済新聞(栃木版)

 下野市教育委員会は、南河内テニスコート拡張整備事業(仁良川)に着手した。新設コート4面と現コート2面の間に駐車場を整備。現コート南側駐車場はトイレや倉庫の設置のほか、身障者駐車場、駐輪スペースに改修する。8月に入札公告し、9月の契約を経て10月に着工する。数分割発注の見通し。年度末の完成を目指し、事業費2億167万6000円を見込んでいる。

 予算配分額は施工監理委託191万4000円、工事1億7741万9000円、土地購入2127万3000円、器具購入68万9000円。拡張部分の地権者は2人で、大筋の同意を得た。夏までに現コート東側の農地5000平方m以上を取得する。

 2020年度の地質調査はパスキン工業、測量と実施設計は個別に総研(以上宇都宮市)に委託。地質調査が3地点のボーリングや透水試験、測量は一筆調査ほか一式。水田利用の軟弱地盤のため、地盤強化策を検討中。地表面の土は入れ替える方向。

 現行の人工芝テニスコートは丘陵地にあり、敷地拡張を予定する東側農地とは数メートルの高低差がある。現駐車場部分の東側に幅4・5mの階段通路を設け、現コートと新コートを結ぶ。新コート4面は現コートと同じ人工芝。

 現コート南側の駐車場にトイレ(男女別、多目的)、倉庫を設置。これらは既製品を想定した。身障者駐車場2台、駐輪スペースを設ける。駐車場は再舗装や駐車マスを引き直す。駐車場は高台にあり、想定外の浸水被害に万全を期す。

 拡張予定地北側は市道8138号線が東西方向に横断。新設コートと現コートの中央部に新設する駐車場の出入り口は市道となるため、市道の高さに合わせて拡張用地を若干盛土。普通車36台を収容する。市道に接する南河内体育センターの共用となる。

 現コートは駐車場用地だった場所に整備したため、南河内体育センターの駐車スペースは十数台と手狭。市内の人工芝テニスコート利用者が多く、稼働率が高い。早朝利用の高齢者に始まり日中は中高校生、夕方からは社会人が利用。一部にはナイター照明を備える。

 22年4月に開校予定の南河内小中学校(薬師寺)は南河内中、薬師寺小、吉田東小、吉田西小の4校を再編し、南河内中を拠点校に施設一体型の義務教育学校を創設。校庭が錯そうするため、当初のテニスコート整備4面を見送った経緯がある。

 市教委は、中学生の男女テニス部の活動は近隣の市営コートを利用する方向性を地域保護者説明会に提示。学校開校時に他の部活動との格差が生じないよう練習場所を早期に確保する必要性が生じた。現コートは新設校に最も近く、徒歩で行き来ができる。

 市内には南河内を含め国分寺運動公園(小金井)に6面、大松山運動公園(大松山)に4面、祇園原公園(祇園)に3面の人工芝コートを有す。南河内は2面から6面に増やし、新たな需要に応える。駐輪スペース設置は自転車通学者や近隣住民の利便性を考慮した。

 市東部に位置する仁良川地区は南河内公民館や南河内図書館といった公共施設が集積する旧南河内町の行政や文化の拠点。交通網は地区西側を新4号国道が南北方向に走り、鉄道はJR宇都宮線の自治医大駅が北西約2・8㎞、小金井駅が南西約3㎞と好条件。

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