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23年度の着手想定/高洲ポンプ場の建設工事/早ければ年度内に基本設計/千葉市

2021/05/19 日刊建設タイムズ

 千葉市は、印旛処理区のポンプ場再構築事業において、高洲汚水中継ポンプ場(高洲ポンプ場)を建設する。17日には、施設配置検討業務委託の制限付き一般競争入札を公告した。同業務の進捗が図られた段階で、別途、早ければ年度内に基本設計業務を委託。さらに、2022年度には詳細設計業務を委託する見込み。順調に推移すれば、23年度にも着工し、29年度の供用開始を目指す。今後、維持管理を除くPFI手法等の導入について可能性を探ることになる。

 高洲ポンプ場の建設は、老朽化と耐震性能の不足が課題となっている高洲第2汚水中継ポンプ場(美浜区高洲4―12)の改築に伴うもの。稼働させながら同一敷地内で改築することができないため、北東側に隣接する高洲4丁目西公園(街区公園)の敷地などを建設地として、高洲第1汚水中継ポンプ場(美浜区高洲2―5)を統合する形で再構築を行う。

 高洲第2汚水中継ポンプ場は高洲ポンプ場の供用開始後、早期に解体し、跡地で公園の再整備を行う。高洲第1汚水中継ポンプ場についても解体する方向となっているが、時期など詳細はこれから検討する。

 高洲ポンプ場は分流式で、排水区域面積415ha、晴天時計画汚水量18・6立方メートル/min、雨天時計画汚水量48・5立方メートル/minとする。敷地面積および施設規模に関しては、高洲第2汚水中継ポンプ場(敷地面積約2500㎡、施設総面積1692㎡)と同等になりそうだ。

 施設配置検討業務の内容は▽基本条件▽施設配置計画の検討▽施設設計(基本設計の一部)▽水位関係の検討▽施工方式の比較検討▽概算事業費の算出――など。

 「基本条件」で、上位計画や過年度に実施した検討業務の成果品などについて確認し、必要に応じて整理する。

 「施設配置計画の検討」では、雨天時計画汚水量での施設規模および、維持管理を考慮した最適な配置計画を検討。具体には、経済性・維持管理の難易・環境条件などを考慮し、配置計画を確認。並行して、場内各種主配管、主配線ルートを立案する。さらに、建築物等に関し、平面計画・立面計画(機器配置)・管廊計画(配管、ケーブル等の収容)・機器の搬出入計画などにより、最適スペースを検討する。

 「施設設計」においては、雨天時計画汚水量を基に▽容量計算▽形式、機種等の検討▽主要機器の運転操作方式、計装制御方式の検討▽環境整備計画の検討――を行うとともに、統合に係る幹線管渠の能力計算を実施。

 「水位関係の検討」は、ポンプ揚程、水理計算、計画地盤高・施設レベルを対象とする。

 「施工方式の比較検討」では、施工方法ごとの概算コスト比較、必要工期、施工の難易度、工事公害について検討を行う。

 同業務の入札に関しては、21日までの入札参加申請期間、26日~6月1日までの入札期間などを経て、6月1日の開札。委託期間は、契約締結日の翌日から2022年1月31日まで。

 入札参加資格要件は、市内に本店・支店または営業所等を置き、市の測量・コンサルタント入札参加資格者名簿(業種:土木関係建設コンサルタント業務)に登録されている者であることなど。

 さらに、11~20年度に、下水道終末処理場・浄水場・ポンプ場のいずれかの複合構造物と、機械設備および電気設備の実施設計業務を履行した実績を求めている。

位置図

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