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栃木県教育委員会

足利市民会館、県 大ホール、会館棟で2分割、6月にも解体公告

2021/05/25 日本工業経済新聞(栃木版)

 県教育委員会は近く、足利市民会館解体撤去工事(足利市有楽町837)の入札契約手続きに入る。6月早々にも総合評価落札方式の条件付き一般競争入札2件を公告する。大ホール棟と会館棟に2分割し、それぞれ工期は11カ月間を見込んでいる。7月早々に着工の見通し。2021~22年度にわたる継続費7億1654万6000円(21年度5億158万2000円、22年度2億1496万4000円)を設定している。

 市民会館は市中心部の足利女子高校に隣接。敷地は1万5071・76平方m。大ホール棟はRC造地上4階地下1階建て延べ4433平方m、会館棟はRC造地上2階地下1階建て延べ3878平方m。解体積算は新井建築構造設計事務所(足利市)が担当した。

 県と足利市は20年1月、第2期県立高校再編計画に伴う市民会館土地建物約1・4haを現状のまま県に譲渡する基本合意を締結。足利高校と足利女子高校の統合による新足利高校の校舎建設用地となる。譲渡方法は県有地と市有地の等価交換方式。

 別館を除く市民会館の土地建物は21年7月に県に譲渡。市は足利女子高校と市民会館の間を東西方向に走る市道大橋市役所通りを廃止し、敷地境界をなくす。当初は維持活用の予定だった別館棟の設備機器は本館棟と一体であり、市が解体撤去する。

 市は21年度予算で別館棟の解体撤去費7231万5000円を措置。跡地は公共駐車場に活用することを検討している。県から等価交換用地に提示されたのは現足利高校用地。市への所有権移転は新校舎供用開始後の24年9月となる見込み。

 足利高校の評価額が約3000万円上回るため、市議会が反発。足利女子高校敷地内に市有地約179平方mが存在することが判明し、県との交換用地に追加。さらに評価額調整のため、足利高校南西端約1400平方mを県有地のまま残すことで合意した。

 市民会館は市内企業や市民の寄付を募り、1956年2月に着工。1966年9月に大ホール棟と会館棟が開館し、別館棟は74年9月に開館した。別館棟はRC造2階建て延べ1318平方m。大ホール棟、会館棟は築54年、別館棟は築46年が経過する。

 付属施設のピロティはRC造2階建て延べ1426平方m。渡り廊下は軽量鉄骨造平屋建て延べ31・31平方m。大ホール舞台暖房室はRC造平屋建て24平方m。いずれも旧耐震基準で建てられ、現行の新耐震基準を満たしていない。

 市民会館は耐震性不足、老朽化、設備機器の更新時期を迎え、市は2016年に策定した「公共施設総合管理計画」で集約化・複合化の方針を明示。県教委は翌17年、足利女子高校の共学化統合再編を打ち出した。市は県に対し、市民会館用地の提供を打診した。

 理由は足利女子高校の敷地は2・4haと県立普通科高校の敷地の中では最も狭い。敷地内に新校舎を建設すると、学校行事が制約される。県は校舎、体育館、武道場の主だった建物を敷地北側の市民会館解体跡地に建設。グラウンドは敷地南側に配置する。

 新設建物は校舎がRC造3階建て延べ8320平方m、体育館はRC造一部S造2階建て延べ2390平方m、武道場はS造平屋建て400平方m、運動部室棟は木造2階建て延べ400平方m、駐輪場・屋外トイレはS造平屋建て880平方m。

 解体費を除く概算事業費は70億円(設計調査費3億円、新校舎建設工事費58億円、外構工事費6億円、仮設校舎賃貸借・備品購入費3億円)。20~21年度の新設高校基本・実施設計は(AIS総合設計)が担当中。22年度の着工、24年度の完成を目指す。

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