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栃木県河川課

県河川課 21年度主要事業、永野川など38カ所に61億円、田川で詳細設計、姿川・大谷で橋梁工

2021/06/02 日本工業経済新聞(栃木版)

 県河川課は、国庫補助や交付金を活用する今年度の河川事業概要をまとめた。東日本台風で被災した永野川(栃木市)、秋山川(佐野市)、荒川(那須烏山市)など改良復旧を含む38工区(浸水リスク想定図作成含む)で掘削や築堤、護岸工事を促進。姿川・大谷(宇都宮市)、武子川・深津(鹿沼市)は橋梁の工事や詳細設計に着手。遊水地や調節池の整備も進める。事業費は約61億円。浸水対策重点地域緊急事業の採択を受けた田川(宇都宮市)は調節池や河道の詳細設計を実施していく。(2面に主要事業と実施箇所)

 改良復旧の永野川は30億5800万円。工事は13件発注しており、掘削や護岸、築堤を促進。架け替える主要地方道岩舟小山線千部橋、市道橋の両明橋、諏訪橋の詳細設計を進め、両毛線橋梁もJRと協議していく。

 浸水対策重点地域緊急事業の田川の全体計画は、川田地区の下流調節池や山田川合流点付近の上流調節池の設置、両調節池間(約6・5㎞)の河道掘削。25年度までに約89億円が投じられる。

 川田調節池は面積約16・6ha、容量33万6000立方m。上流の岩曽調節池は約18・5ha、容量24万3000立方mを確保する計画。今年度事業費は8億5000万円。2カ所の調節池と河道の詳細設計、用地補償に取り組む。

 秋山川の改良復旧は3億円。掘削や築堤、護岸を進め、下流の統合堰は残る下部工と上部工を発注。下流の広域河川改修事業区間も護岸などを整備する。

 荒川の改良復旧は築堤や護岸、市道の落合橋架け替えを推進。広域河川改修事業区間の向田工区も用地取得や築堤、護岸を実施。思川(鹿沼市)は主要地方道鹿沼足尾線天満橋上流で河床を掘削する。

 地下捷水路を築造する巴波川(栃木市)は、詳細設計を三井共同建設コンサルタント(東京都)に委託。工事は22年度に発注する計画。

 姿川・大谷は20年度補正予算で新規着手し、今年度分と合わせて4億円を確保。事業区間は主要地方道宇都宮今市線の大谷橋(大谷町)から桜田橋(新里町)の延長約3・8㎞。掘削や護岸、豆田川合流点付近の調節池設置を計画。用地補償や県発注の大谷橋下部工を推進し、市道橋で架け替える観音橋の下部工を市が発注する。

 大規模特定河川事業は姿川・大谷のほか、足利市の旗川で掘削、名草川で用地調査や補償、杣井木川排水機場(小山市)で発注したポンプ設備や上屋工事を実施。

 武名瀬川(上三川町)は国道352号野田橋の迂回路撤去や上流区間の用地補償、武子川(鹿沼市)は用地測量や下流の深津工区で市道橋の大日橋詳細設計を進める。

 鹿沼市の小藪川は下流で掘削や護岸を行い、上流で第1調節池越流堤を整備。大芦川は掘削や護岸、思川・深程は掘削を推進。

 小山市の思川は、乙女網戸工区で掘削、黒本飯塚工区で用地補償や改築する樋門の詳細設計を実施。

 田川は日光市の土沢工区で掘削や築堤、護岸、宇都宮市の石那田工区で市道橋の通目鬼橋の上下部工を施工。

 鹿島川(大田原市)は左岸側の上池、下池の調節池2カ所のうち下池の越流堤を整備。熊川(那須塩原市)は掘削、築堤、護岸を推し進める。

 五行川・真岡(真岡市)は二宮遊水地から上流区間で河道の測量や設計を行い、芳賀遊水地(芳賀町)は右岸の越流堤を整備。五行川・氏家(さくら市)は護岸を推進。百目鬼川放水路(益子町)は掘削や護岸に加え、支川のボックス橋梁を置き換える工事を実施する。

 足利市の姥川は用地調査、矢場川は掘削や護岸を施工。栃木市の巴波川・上流は護岸や用地補償、佐野市の菊沢川は用地補償を予定。

 20年度補正で新規の大内川(那珂川町)は盛谷川合流点から上流約4・4㎞の改修を計画。用地測量に着手する。

 特定構造物改築事業の江川放水路(宇都宮市)は扉体や開閉装置、操作盤を更新。杣井木川排水機場では点検やゲート塗装を予定している。

 このほか29河川を対象にした浸水リスク想定図を作成し、公表する。

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