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県都市整備課、足利の中橋、渡河部284m、跨線部110m、5径間、詳細設計へ、年度内認可目指す

2021/06/04 日本工業経済新聞(栃木版)

 県都市整備課は、都市計画道路3・5・102号家富町堀込線中橋工区(足利市通2丁目~南町、主要地方道足利千代田線)の橋梁詳細設計に着手する。国が行った予備設計の成果は、1級河川渡良瀬川渡河部は橋長約284mの鋼5径間連続細幅箱桁橋、JR両毛線の跨線部は橋長約110mの鋼4径間連続鋼床版鈑桁、PC単純中空床版橋。詳細設計は橋梁部、跨線橋部に分け、総合評価方式の指名競争で7月7日に開札する。幅員を見直す都市計画変更手続きを進めており、今年度内の事業認可を目指している。

 事業認可取得後は国と役割分担や費用負担などを定めた基本協定を締結する予定。橋の架け替えとその影響範囲で必要な堤防の整備工事は県が実施する方向で調整が進められる見通し。

 事業区間は主要地方道桐生岩舟線と東武伊勢崎線までの延長640m、桐生岩舟線側の両毛線をオーバーパスする計画。市を代表する景観のアーチ橋の一部を下流側に移し、歩行者・自転車専用として活用する。事業予定期間27年度まで、総事業費は約107億円。

 中橋は橋桁の高さが低く橋脚が多い。架設箇所は渡良瀬川の堤防が低く、氾濫の恐れがある重要水防箇所。昨年7月に国の委員会が架け替えと堤防の嵩上げが妥当と判断。

 渡良瀬川を管理する国と中橋を管理する県、まちづくりを進める市が基本方針に合意した。予備設計は国が委託し、八千代エンジニアリング(東京都)が担当した。

 予備設計によると、橋梁は渡河部、跨線部とも5径間。下部工はいずれも場所打ち杭基礎逆T式橋台2基、場所打ち杭基礎壁式橋脚4基。

 跨線部は両毛線や市道を立体交差する区間が鋼橋。桐生岩舟線に取り付く擁壁区間側の1径間はPC橋の形式となり、スロープ付き階段が設置される計画。

 幅員は橋梁部19・8m(新設13・5m、既存利用6・3m)。新設の上流側は車道3m×2、歩道3・5m、自転車道2m、路肩0・5m×2、施設帯は0・4mと0・6m。

 アーチ橋を利用する下流側は歩道3・5m、自転車道2m、施設帯0・4m×2。移設にあたっては歩道部を撤去する予定。

 高架部の幅員は22m。車道3m×2、右折車線3m、歩道3・5m×2、自転車道2m×2、路肩0・5m×2、施設帯0・5m×2。高架橋の西側は5~6・5m程度の歩道共存道路を設ける計画。

 現在の中橋は1936年の建設。橋長295・1m、幅員11・9m(車道3m×2車線、両側に2m歩道)。

 家富町堀込線は市中心部と国道50号を結ぶ重要な幹線道路。朝夕を中心に両毛線を横断する宝来社街道踏切前後で交通渋滞が発生。

 高校生をはじめ自転車の通行が多く、また、けやき小学校の通学路となっているものの中橋の歩道は狭く、踏切部は歩道が未整備。児童生徒の安全確保が求められている。

 1月に開催された県公共事業評価委員会の事前評価書によると、事業費内訳は測量設計費約1億円、用地補償費約4億円、工事費約102億円。国と県の費用負担割合は4対6を想定している。

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