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栃木県那須烏山市

那須烏山市 学校施設長寿命化、烏小、荒小で校舎大規模改修

2021/06/10 日本工業経済新聞(栃木版)

 那須烏山市は、学校施設等長寿命化計画を策定した。今後10年間に大規模改修を烏山小、荒川小の2校の校舎で予定。烏山小は2023年度から、荒川小は28年度前後に実施を計画した。

 計画の対象は小学校が荒川小、江川小、境小、烏山小、七合小の5校、中学校が烏山中、南那須中の2校と学校給食センター。具体的な工事内容や実施時期は児童生徒数などを踏まえ検討していく。

 施設は合計23棟で総延べ床面積は約4万3000平方m。このうち81年5月以前の旧耐震基準の建物が13棟、約2万1000平方m、新耐震基準の建物が10棟、約2万2000平方m。

 全体では約70%が築30年以上が経過し、老朽化が進んでいる。耐震補強は全小中学校で完了。外壁のひび割れや剥離など安全に懸念がある施設が存在している。また、要配慮者への対応や防災の観点から体育館の空調整備やバリアフリー化が求められている。

 長寿命化の方針ではこれまでの事後保全型から予防保全型に転換。RCとS造の建て替えまでの目標耐用年数を約80年に設定。築20年で大規模改造、築40年で長寿命化型改良を実施する。今後30年間の予防保全型の維持更新コストは総額約139億円、年平均5億円。事後保全型は総額176億円で約21%縮減できると試算した。

 建物の劣化状況は「屋根・屋上」「外壁」「内部仕上げ」「電気設備」「機械設備」をA(概ね良好)、B(部分的に劣化)、C(広範囲に劣化)、D(早急な対応が必要)の4段階で評価。

 烏山小は特別教室棟(RC造3階建て延べ1686平方m)、管理特別教室棟(RC造3階建て延べ3526平方m)、普通教室棟(RC造2階建て延べ1086平方m)の3棟の電気設備がC、普通教室棟の内部仕上げがC判定。

 荒川小も管理普通教室棟(RC造2階建て延べ1267平方m)、特別教室棟(RC造2階建て延べ1153平方m)、普通教室棟(RC造2階建て延べ1406平方m)、普通教室棟(RC造2階建て延べ367平方m)の4棟の電気設備がC判定。普通教室棟(367平方m)は外壁がC判定。

 江川小は管理教室棟(RC造3階建て延べ3794平方m)の内部仕上げがC判定、体育館(S造2階建て延べ1474平方m)の内部仕上げがD判定。

 境小は管理教室棟(RC造3階建て延べ3200平方m)の屋根・屋上、内部仕上げがC判定、体育館(S造平屋建て延べ885平方m)の内部仕上げがC判定。七合小は管理特別教室棟(RC造2階建て延べ1996平方m)の電気設備がC判定。

 烏山中学校は管理特別教室棟(RC造4階建て延べ3850平方m)、管理特別教室棟(RC造4階建て延べ2705平方m)、体育館(S造2階建て延べ1428平方m)の電気設備がC判定、体育館の外壁がD判定。南那須中はC、D判定はなく、給食センター(S造2階建て延べ1961平方m)は内部仕上げがC判定。

 烏山小の校舎3棟は1968~70年の建設で築50年以上が経過。荒川小の校舎は3棟が1974年、校舎1棟が1979年の建設で築50年近くが経過する。

 烏山小、荒川小の大規模改修以外では、今後10年間の部位改修計画としてD評価の部位を5年間で解消。家具の転倒防止や体育館の補強ガラス、バリアフリー、体育館の空調設備、屋外トイレについては大規模改修や長寿命化改良に併せて整備。空調の清掃は3年ごとに実施するとした。

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