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栃木県真岡市

真岡市、井頭周辺農業拠点で基本計画、今年度はあぐ里っ娘にイートイン

2021/06/19 日本工業経済新聞(栃木版)

 真岡市は、井頭周辺農業拠点整備基本計画を策定した。上大田和地区の観光いちご園や直売所を中心とした一帯をアグリゾーンに位置付け、段階的に整備範囲を広げていく。計画には、いちご園の圃場拡大やあぐ里っ娘の機能拡充、プロモーションエリア、体験用圃場など導入機能のイメージを示した。ゾーン内には民地が点在していることから今後、地権者や営農者への説明会を開き理解を求めるとともに関係機関との調整を図る。まとまり次第、基本設計・実施設計に移行する見通し。コロナ禍の影響もあり、時期は未定としている。

 今年度はあぐ里っ娘の交流・展示室をイートインスペースに改修。今月中に設計成果品が納入予定で、工事を8月にも発注。工期は約2カ月。いちごシーズンを見据え12月頃の供用開始を目指す。今年度当初予算に改修工事費700万円を計上した。設計業務はA-style建築設計事務所(真岡市)が担当している。

 あぐ里っ娘は、直売所に交流施設が併設された施設でS造平屋建て延べ約500平方m。イートインスペースに改修する交流・展示室は約160平方m。工事では、コロナ対策をとれるよう座席数を30席程度とし、パーテーション、カウンターを設置する予定。飲食機能の拡充に併せて提供メニューを磨き上げ、来客者にPRする。

 また、イートインスペースのほか、キッチンスタジオや一次加工用の加工所、事務所機能の拡充も計画している。

 観光いちご園は、収入が落ち込んだ営農者の現状回復後に拡大圃場、新規農業者用の研修圃場や教育機関と連携したイベント用ハウス・高校生実習圃場を優先的に整備する方針。

 研修圃場や実習圃場は、今年度から県農業大学校に日本初のいちご学科が創設されたこともあり、学生も引き込みたい考え。

 体験用圃場は、サツマイモやブルーベリー、ジャガイモ、トウモロコシなどを栽培する農園を想定。トイレや倉庫、駐車場をあぐ里っ娘付近に整備し、団体客にも対応。観光いちご園の休館期間中でも集客が図れるよう施設を充実させる。

 プロモーションエリアには、イベント用ハウス・高校生実習圃場のほか、イチゴを見上げる形になる吊り下げ式高設ハウスや新技術導入ハウス、芝生のイベント広場などの機能を盛り込んだ。

 アグリゾーンを含む井頭周辺エリアは年間142万人(2018年度)が来場する県内有数の観光エリア。市はエリアの潜在需要を掘り起こし既存施設の充実と拡充で県内外から多くの観光客を呼び込むことのできる拠点づくりを目指す。

 市の井頭周辺エリア(南側エリア)活性化基本計画とも連携を図りながら事業を推進していく。

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