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栃木県小山市

小山市 大谷地区中心施設、22~23年度で施工、総工費12.5億 用地取得に注力

2021/06/22 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山市は、大谷地区中心施設(横倉499-8)の整備計画を修正した。用地取得に時間を要し、全体の事業期間を1年延伸する。建物はS造平屋建て延べ2000平方mを想定。拠点施設の周囲に多目的広場、交流広場、駐車場、雨水浸透槽、接続道路を配置する。多彩な地域活動を支える市民交流センターを建設し、コミュニティの活性化を図る。2022~23年度で施工し、24年度の開設を目指す。総工費は12億5697万1000円を見込んでいる。

 計画地は敷地面積2万4642平方mの市街化区域。用地取得関係費は20年度予算繰越額5140万7000円、21年度当初予算5億64万円の計5億5204万7000円。地権者交渉は大詰めを迎え、市議会6月定例会に公有財産取得案件を上程している。

 20年度の実施設計はOGO、物件調査再算定は三立調査設計(以上小山市)が担当した。行政ゾーン(出張所)とコミュニティゾーン(生涯学習、健康増進、子育て支援、高齢者支援)の2つのゾーンをつなぐ交流の場(休息、談話)で構成する。

 多目的広場は1万1020平方m、駐車場は8046平方m、交流広場は1158平方m、雨水浸透槽1基、接続道路は延長205m、幅員5mを計画。南北に走る市道は南側の一部を除き廃止し、北側からL型に付け替えて接道を確保する。

 用途地域は第1種低層住居専用地域。建ぺい率40%、容積率60%。大谷地区はJR宇都宮線小山駅南東部2~4㎞に位置し、市内で最も人口が増加している。中央部東西方向を主要地方道小山環状線、東側を新4号国道が南北方向に通過する。

 既存の大谷公民館は、利用者数の増加や利用形態の多様化に伴い規模不足や老朽化が顕在化。子どもから高齢者までの幅広い世代の交流の場を設け、十分な広さと機能を備えた利便性の高い複合施設整備が求められる。完成後は大谷公民館の機能を移転する。

 敷地造成の際は集中豪雨時冠水防止の観点に立ち、平均0・5m程度を盛土。敷地内へは南側の市道239号線からアクセスし、歩行者は緑地帯の間を抜けて出入り口に向かう動線を形成。建物の周囲に歩行者用回廊を設け、広場への行き来を容易にする。

 駐車場は普通車160台、多目的5台を収容。道路に面した場所に駐車場を設け、渋滞を避ける。雨水排水先は敷地北東側に新設する4m道路の側溝から新4号国道下経由で西仁連川に放流。汚水は開館までに、敷地南西側に接続予定の公共下水道管に排水する。

 拠点施設は①行政②コミュニティ・交流③多目的④子育て・福祉⑤文化・学習-の5機能を併せ持つ。行政事務室は親しみやすく開放感のあるオープンカウンター形式。施設内の設備機器を監視制御でき、自家発電設備を備えた災害時の一時避難場所機能を充実。

 拠点施設で最も重視するのがコミュニティ・交流。気軽に出入りし、快適に過ごすことができる空間とする。エントランスは来館者が憩い、休み、集う場になるよう考慮する。ラウンジの一角には展示コーナーやギャラリースペースを設ける。

 広いスペースを割く多目的ホールは圧迫感を与えないよう高天井とし、小規模な体育館をイメージさせる造り。子育て・福祉は乳幼児や保護者向けの赤ちゃんの駅、学童保育スペース、プレイルーム、高齢者対応の地域包括支援センターを設置する。

 文化・学習は住民活動を自発的に促進する啓発の役割と近隣住民が語り合う場の役割がある。中小規模の集まりに対応した会議室を複数設置。稼働間仕切りにより、参加人数に応じた大会議室や小会議室への転用を可能とする。図書館は幅広い層の蔵書を備える。

 市は市内各所の既存公民館の代替となる地区中心施設を段階的に整備中。これまでに間々田市民交流センター「しらさぎ館」、小山城南市民交流センター「ゆめまち」、桑市民交流センター「マルベリー館」の3施設の供用を開始している。大谷地区が4カ所目。

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