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調査プロポを開始/新博物館は27年度開館想定/民間参入も視野に/千葉市 加曽利貝塚

2021/06/24 日刊建設タイムズ

 千葉市は、特別史跡加曽利貝塚の新博物館整備・運営および集客活用エリアの集客事業に関し、民間事業者の参入を視野に入れている。民間事業者の参入を図ることになれば、2022年度以降の事業者選定を経て、27年度の新博物館開館を目指す。22日には「特別史跡加曽利貝塚新博物館整備・運営手法等および集客活用エリア事業化検討調査業務委託」の公募型プロポーザルを開始した。委託限度額は2000万円。委託期間は2022年3月31日まで。

 新博物館は、特別史跡指定地外の若葉区小倉町937―7ほかの敷地面積約1ha(うち駐車場用地0・42ha)への移転を計画。建物規模については延べ床面積約5000㎡を想定している。事業活動として、調査・研究、収集・保存、展示、教育・普及、史跡ガイダンス、利用者サービス、広報・集客連携を行う。

 また、19年2月に策定した特別史跡加曽利貝塚グランドデザインにおいて、縄文の森特別緑地保全地区指定地内の若葉区小倉町935ほかの敷地面積約1・6haの一部を集客活用エリアと位置付け、野外アクティビティを取り入れた公園的整備や旧大須賀家住宅の移転を想定している。

 ただし、より集客力の向上に寄与する提案がある場合は特別緑地保全地区の規制を超えたものも可とする方針で、旧大須賀家住宅の移転も必須ではない。上下水道や取り付け道路などのインフラ整備・修繕は市が行うが、その他集客活用のために設置する施設や設備の整備・修繕費用、集客活用エリアの管理・運営に係る費用は民間事業者の負担。集客活用エリアを除く、縄文の森ゾーンと水辺公園ゾーンの整備は市の負担で行うことを想定しているが、集客活用エリアとの一体的な整備・修繕も可。

 調査業務では、新博物館整備および管理・運営について官民連携手法導入のメリット・デメリット、民間事業者の参入可能性に関して詳細な調査を行い、従来手法と官民連携手法を比較することで、財政負担の軽減、施設の設置目的の達成、付加価値向上などに寄与する最適な手法を選択。

 具体的には、新博物館における事業活動を念頭に▽前提条件等の整理▽官民連携手法導入可能性の検討▽民間事業者の参入可能性の検討▽最も適切な事業スキームの選定および選定した整備手法についての詳細検討――を行う。

 「官民連携手法導入可能性の検討」においては、PPP/PFI導入可能性調査簡易検討結果や全国の博物館施設での官民連携手法導入事例等を参考に、想定し得る官民連携手法を整理する。

 「民間事業者の参入可能性の検討」では、官民連携手法を導入した場合の参入意向、参入に当たっての課題、条件、要望、収益事業の可能性等について調査や意見聴取などを行う。集客活用エリアの事業参入希望者による新博物館の整備・運営への参入可能性についても併せて調査する。

 さらに、集客活用エリアで行う集客事業について、民間事業者へ事業参入意向調査を行い、民間事業者の参入可能性と役割分担を整理し、概算整備費や整備スケジュール等を取りまとめる。具体的には、対象地に係る基本情報を整理し、事業参入意向調査を実施。

 「事業参入意向調査の実施」では、幅広い業種に対して参入意向調査を行うため、調査方法、聴取項目、聴取先などを検討し、意向調査票および聴取関連資料を作成する。

 そのほか、中間報告、千葉市史跡保存整備委員会の運営補助、ワークショップ運営、新博物館先行事例調査、事業実現に向けた項目の整理、打ち合わせ協議などを担う。

 プロポーザルの参加資格要件は、市の委託入札参加資格者名簿に登録され、11~20年度に点字機能を有する公共施設の整備・運営手法等の検討調査業務を元請けとして履行した実績を有することなど。共同企業体の場合は、全ての構成員が単体企業における参加資格要件を満たすこと。

 今後は、28日まで質問を受け付け、30日に回答。7月16日に企画提案参加申込書および企画提案書などの提出を締め切り、同月27~29日にZoomによるオンラインでのプレゼンテーションを実施。同月中に選定結果を通知する予定。

 質問書は電子メール、また企画提案参加申込書および企画提案書などは持参もしくは郵送により、文化財課に提出する。

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