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栃木市 学校施設長寿命化、6施設が健全度10、藤岡、部屋、三鴨、赤麻小、東陽中

2021/06/24 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市教育委員会は、小中学校施設長寿命化計画を策定した。対象は小学校29校、中学校13校の計42校125棟。計画期間は2021年度から60年度までの40年間。今後10年間は長寿命化工事が集中し、保有施設の在り方や財源確保が大きな課題。長寿命化方針で健全度10と低評価だったのは藤岡小校舎、部屋小東西校舎、三鴨小南校舎、赤麻小東校舎、東陽中体育館の6施設。(3面にD評価の施設)

 築44年の藤岡小校舎はRC造3階建て延べ3836平方m。部屋小の東校舎は築56年でRC造2階建て延べ864平方m、西校舎は築46年でRC造3階建て延べ1807平方m。築51年の三鴨小南校舎はRC造3階建て延べ2360平方m。

 築54年の赤麻小東校舎はRC造2階建て延べ983平方m。築50年の東陽中体育館はS造平屋建て延べ966平方m。東陽中では健全度10の武道場(プレハブ造平屋建て延べ150平方m)の改築が決まり、21年度は3534万6000円が予算化された。

 125棟の延べ床面積は23万9000平方m。このうち老朽化が顕著となる築30年を経過した施設は94棟、延べ17万2000平方m(72%)を占める。個別施設の部位ごとに劣化状況をA~Dの4段階で評価し、改修時期を把握する。

 事後保全型から予防保全型へ維持管理手法をシフト。建物の長寿命化、ライフサイクルコストの縮減、財政負担の平準化を図る。建物や設備機能を健全な状態に保ち、児童生徒の安全安心な学習環境を確保。各施設の耐震化率は100%を達成している。

 屋根・屋上、外壁は目視で良好A、部分的に劣化B、広範囲に劣化C、早急な対応が必要Dで評価。内部仕上げ、電気設備、機械設備は経過年数で20年未満A、40年未満B、40年以上C、著しい劣化Dで評価。5部位の健全度を100点満点で数値化した。

 築50年改築の従来型更新コストは今後40年間で1169億円、年間29億2000万円が必要。長寿命化により耐用年数を80年とする40年間のコストは930億円、年間23億円。従来型に比べ総額239億円、年間6億2000万円を縮減できる。

 42校は長寿命化とともに、小中学校適正配置基本構想に基づく統廃合を進めていく。築40年以下の建物は80年使用できるよう部位ごとに必要な改修周期を設定。築40年以上の建物は劣化部の修繕工事を実施し、耐用年数を80年に延ばす。

 更新周期は屋根・屋上防水20年、外壁15年、電気設備30年、給排水設備30年、空調設備15年が目安。安全性、耐用性、機能性、快適性を維持し環境や省エネに配慮する。専門家による法定点検を定期的に委託するほか、各学校が毎月自主点検する。

 長寿命化計画は築30年以下が中大規模改修、築31~40年以下は大規模改修後に劣化部位を修繕、築41年以上は劣化状況に応じて部位を修繕。優先順位は築年数、改修履歴、劣化状況調査結果を基に総合的に判断。中大規模改修は棟単位で施工する。

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