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長野県建設部建築住宅課

杭工7月、本体は年内にも/大萱団地の新棟建設

2021/06/25 長野建設新聞

 県建設部公営住宅室が進める県営住宅大萱団地建替事業は本年度、A-2棟の建設工事に着手する。現在、用地の一部にある旧住宅の除却工事について入札手続きを進めており、その後、7月にも杭工事を発注する。年間発注計画では本体工事の公告時期を建築工事は10月、機械設備工事と電気設備工事は11月としているが、若干遅れる可能性もある。

 伊那市西箕輪にある大萱団地は1963~67年に建設された平屋の市営住宅136戸と平屋および2階建ての県営住宅76戸が隣接しており、これを県営住宅大萱団地3棟72戸として建て替える。19年度に国庫補助事業として事業化され、昨年度にA-1棟24戸が竣工した。

 本年度着工するA-2棟は、A-1棟の西側に建設。計画規模はRC4階建て20戸、1308㎡。間取りは3LDK(約70㎡)4戸、2DK(約60㎡)7戸、2DK・小タイプ(約50㎡)8戸、障がい者用(約60㎡)1戸。A-2棟とA-1棟の間にはエレベーターが設置され、この工事はA-1棟建設時に整備済み。

 入札手続き中の除却工事は、4月12日に公告、同月28日に開札した後、内訳書の不備が判明し5月7日に中止。設計内容の一部を見直した上で6月22日に再度公告した。開札は7月5日に行われる。なお、4月の入札には6者が参加。予定価格は4287万円(税抜)だった。

 除却工事の敷地は今後発注する杭工事やA-1棟駐車場の整備用地でもあり、本年度の発注計画に多少なりとも遅れが生じるとみられる。杭工事については4月26日の建設工事請負人等選定委員会で入札参加資格を決めた際、公告予定時期を5月下旬としていたが、公営住宅室は「早くても7月になる」との見通しを示した。同工事の概要は杭工事:プレボーリング拡大根固め工法CPRC杭φ650×L33m×10本、φ550×L33m×25本。工期は約120日。入札方式は総合評価落札方式(工事成績等簡易型)で、入札参加資格はとび・土工・コンクリート841点以上、県内本店、既製杭(木杭を除く)工事の実績。

 また、駐車場工事は除却工事の跡地の一部などに35区画分を整備するもの。年間発注計画では公告予定時期を8月、工期を約3カ月としている。

 本体工事の公告時期について公営住宅室は「できる限り当初の予定に近い形で進められるようにしたい。来年度内の竣工に変更はない」と話した。本体工事の工期は約13カ月。3件とも契約に議会の承認が必要な規模(予定価格5億円以上)にはならないもよう。ちなみに19年度に発注したA-1棟建設の杭工事は宮下建設(伊那市)、建築工事は岡谷組(岡谷市)、機械設備工事は長野日設工業(伊那市)、電気設備工事は伊藤電工(駒ヶ根市)が受注している。

 A-1棟、A-2棟とも設計はアーキディアック(松本市)が担当。工事監理についてA-1棟建設工事では入札を採用しており、A-2棟も同様に入札で決める予定。

 建替事業で最後に建設するB棟は今のところ23年度に設計を策定し、24年度の着工を予定している。計画戸数は28戸(RC造4階建て、延べ面積や間取りの内訳は未定)。設計者はあらためて選定する。

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