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【北陸新幹線】円滑な建設へ再発防止策提言/検証委が最終報告書

2021/06/29 本社配信

 国土交通省が設置した北陸新幹線の工程・事業費管理に関する検証委員会が最終報告書をまとめた。昨年12月の中間報告書では「金沢・敦賀間」の工期遅延・事業費増加に至った事実関係の検証、工期短縮策・事業費縮減策の検討内容を提示。最終報告書では、より計画的かつ円滑な新幹線建設の実現を図るため、これまでの反省や整備新幹線の構造的な課題を踏まえつつ、他の公共事業の事例等を参考にして再発防止策を提言している。

 構造的課題への対応の方向性では、工期・事業費の予測精度向上や自治体の一層の協力確保、着工後の工期・事業費の適切な見直しの仕組みを構築する。また、自治体、JR、国(鉄道局)などの関係者間での情報共有・透明性向上、信頼関係構築のほか、鉄道局が鉄道・運輸機構と一体となって事業を推進し、国交省の他の公共事業部局とも連携していく。

 機構・鉄道局において改善すべき課題と対応の方向性も示し、工程と事業費を連動して管理する手法の導入として①工期遅延②事業費増額③EVM(達成度を金額換算して事業進捗と事業費を統一的に把握・管理する手法)の考えに基づく指標、のいずれかが一定の値を超える場合、自治体、国交省等を含む関係者で方策を検討する。

 さらに、他の公共事業を参考にした発注・契約方法の改善では、ECI方式、技術提案・交渉方式、土木・建築の一括発注などの導入を検討。働き方改革やICTの活用による施工環境の確保といった受注環境の改善も図る。

 なお、国交省鉄道局では機構の監理監督を統一的に実施する参事官を7月に設置することを決めた。

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