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県流域下水道、今年度17億円 巴波川で耐水化計画、汚泥設備2処理場に着工

2021/06/29 日本工業経済新聞(栃木版)

 県都市整備課下水道室は、2021年度の流域下水道事業概要を示した。鬼怒川上流浄化センター(日光市)と巴波川浄化センター(栃木市)で汚泥設備の更新工事に着手し、機械、電気設備工事を9月までに発注。県央浄化センター(上三川町)は水処理施設増設の詳細設計を進める。管路施設の耐震対策は全処理区で工事を行い、巴波川浄化センターは耐水化計画を策定。思川処理区では管路更生工事を実施する。また、広域化・共同化計画策定の調査に取り組む。21年度事業費は17億4100万円。

 鬼怒川上流浄化センターは汚泥輸送・前処理設備と脱臭設備、巴波川浄化センターは汚泥脱水設備を更新。いずれも21~22年度に施工し、電気、機械工事に分けて発注する。各工事は条件付き一般競争でいずれも概算1億円以上を見込んでいる。

 県央浄化センターの水処理施設の増設は6系列目の第11と第12の2池を築造。1日当たりの処理能力を1万2900立方m増強し、宇都宮市今宮地区(公共下水道宇都宮南部第10地区)などの処理量増加に対応する。

 21年度に詳細設計を固め、22年度から3カ年で土木躯体工事、24年度から2カ年で機械・電気設備工事を進めて25年度に完了させる計画。設計や工事施行は日本下水道事業団(JS)に委託する。

 このほか汚泥処理設備更新は20~21年度の県央浄化センターの汚泥濃縮設備、北那須浄化センター(大田原市)の汚泥輸送・前処理設備、20~22年度の下水道資源化工場(宇都宮市)の汚泥処理設備の機械、電気工事を促進。

 下水道資源化工場は23年度以降に中央監視制御設備などの改築を予定。大岩藤浄化センターは引き続き21~22年度の監視制御設備更新工事を進める。

 思川浄化センター(野木町)では水処理施設増設の土木工事を完了させ、22年度までの機械・電気設備工事に移行する。

 管路施設の耐震化は全6処理区で工事を実施。鬼怒川中央で10カ所、鬼怒川上流で7カ所、大岩藤で11カ所、思川で10カ所、巴波川で8カ所、北那須で1カ所を予定。第2四半期を中心に発注しマンホールとの継ぎ手部分を可とう化する。

 また、巴波川と北那須処理区ではマンホールの耐震設計を行い、巴波川で6カ所、北那須で7カ所を進める。

 マンホールの鉄蓋更新工事は3処理区で実施。鬼怒川上流で14カ所、北那須、大岩藤でそれぞれ15カ所を更新する予定。

 管路施設の老朽度診断はTVカメラによる調査を3処理区で実施。鬼怒川上流で延長4㎞、巴波川で5㎞、思川で3㎞を計画。思川処理区の管路更生工事の対象は野木町友沼地区の西部幹線。工事延長は250mで9月までに条件付き一般競争で発注する。

 浸水対策は巴波川浄化センターの耐水化計画策定業務を委託。また、大岩藤処理区の岩舟中継ポンプ場の浸水対策基本設計を建設技術研究所(東京都中央区)に委託した。

 広域化・共同化の調査は22年度の計画策定に向け、基礎情報の整理や統廃合による経済性比較などを実施。調査業務の入札は4日に執行され日水コン(東京都新宿区)が担当する。

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