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【木造官庁施設】施工管理・工事監理に関する初の留意事項集作成

2021/06/30 本社配信

 国土交通省官庁営繕部は、木造官庁施設の施工管理・工事監理に関する初の留意事項集を作成した。木造公共建築物の整備促進と品質確保を目的に、2019年度から2カ年で調査・検討してきた成果をまとめたもの。本年度内に改定する「公共建築木造工事標準仕様書」への記載内容も含んでおり、発注者側の監督職員、工事監理者のみならず、工事施工者にも役立つため、幅広い関係者から活用してもらう考え。

 近年、木質材調達に関する制約条件への配慮が足りず、十分な工期が確保されないまま工事が発注される例がある。また主に建築一式工事の受注者が木造特有のノウハウ等を持たず、材料検査の方法・ロット・タイミング、施工精度の確認体制といった必要な検討が行われない状態で施工計画を作成する場合もあるなど、木造建築工事の品質低下や建設コストへの影響が懸念されている。

 加えて、中大規模の木造・混構造の増加により木造の施工技術は多様化・複雑化しているものの、施工に関する情報は専門工事業者のみに限られたものとして扱われる傾向があり、経験が少ない技術者にも分かりやすく体系化された公表資料が少ないことも課題となっていた。

 今回まとめた留意事項集は、受発注者等の関係者の協力を得て事例調査を行った内容を反映させており、「実施工程表の作成」「木材の合法性確認」「工事現場における含水率の測定」など全15章で構成。それぞれ留意すべき事項、あらかじめ受発注者間で定めておくべき事項(施工計画書への記載内容)、知っておきたい豆知識などを記載している。

 なお、留意事項集は同部ホームページで確認することができる。

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