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選考基準は『評定点』のみ/建設工事の優良技術者

2021/06/30 長野建設新聞

 県は2021年度優良技術者表彰の建設工事の選考基準を「工事成績評定点」のみとすることを決めた。20年度内に完成した工事を対象に、発注機関を問わず点数の上位者から順に選定する。表彰者数は過年度の実績を踏まえ決めるが、一般部門は60人程度、若手部門は10人程度が目安とみられる。

 従来の「企業からの申請方式」に替わる新たな選考方法はきょう30日に発表される。これまでは下請けの技術者も表彰対象に含めていたが、今回から「元請けの技術者のみ」に変更する。40歳未満(工事開始日時点)に限定した若手部門は、対象とする技術者から主任(監理)技術者を外し、「現場代理人のみ」とする。一般部門の対象技術者は主任(監理)技術者で変更なし。1件の工事で両部門の対象がいる場合は2人とも表彰。1人の技術者が複数の工事で受賞することも認める。

 表彰者数は過年度の実績を踏まえ決定するが、基準となる点数に複数の工事が並び調整が必要となった場合、成績評定点のうち「品質管理」と「出来形管理」の項目の合計点が高い工事を優先。この点数も同点の場合は全員を表彰する。今回の変更により、これまで選考の過程で実施していた現地調査や面接は行わない。

 県は受発注者双方の事務負担の軽減を図るため、19年度に選考方法の見直しについて検討を開始。今年2月の優良技術者表彰式では「発注機関の推薦方式」とする方針を示したが、その後の検討で発注機関ごと発注件数に多寡があることなどを考慮し、最終的に今回の方式に決定した。


■実績評価期間短縮は検討中

 また現在、優良技術者表彰の受賞者および所属企業に対し総合評価落札方式で加点しているが、実績評価期間の短縮も検討中。詳細は未定だが、選定方法の見直しに併せて22年度から変更される可能性もある。ちなみに現行制度では、企業実績は表彰翌年度から3年間、技術者実績は同じく5年間の評価対象としている。


■委託は従来どおり、1日から受付

 一方、委託業務については21年度も「企業からの申請方式」を継続。申請受け付けは7月1日に開始する。申請方法方は前年度同様「ながの電子申請サービス」による電子申請。締め切りは7月30日。

 申請要領に変更はなく、対象は前年度内に完成し、82点以上の成績評定点を受けた委託業務に携わった技術者。一般部門の対象は管理技術者(建設・建築コンサルタント)と主任技術者(測量、地質調査、補償コンサルタント)。若手部門は担当技術者も含める。申請は同一技術者1人につき1件に限る。

 申請締め切り後の予定スケジュールは、書類による第1次評価を8月~9月上旬に実施。通過者を対象とした面接による第2次評価を10~11月に行い、12月下旬に表彰候補者を決定する。

 工事、委託とも表彰者の発表は22年1月下旬以降、表彰式は2月上旬を予定している。なお、20年度の表彰者数は工事89人(一般64人、若手25人)、委託20人(一般10人、若手10人)。

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